男性不妊 精子回収して顕微授精        2023年 3月 4日


(読売新聞 2023年2月27日の記事より引用)

無精子症と診断された茨城県の会社員、人見亮平さん(35)は2020年8月、同県つくば市の筑波学園病院で、精巣を切開し、顕微鏡を使って精子を回収する「マイクロ TESE(テセ) 」という手術を受けた。
全身麻酔で90分かかった。

目を覚ますと、執刀した泌尿器科科長の山崎 一恭 さんから「精子、無事とれましたよ」と声をかけられた。

この手術で精子を回収できるのは3~4割と言われていたので、「ベッド上で跳び上がりたいと思うほどうれしかった」。

その後、体外受精の一種である「顕微授精」に進んだ。
夫から精子、妻から卵子を採取したあと、顕微鏡で見ながら卵子に精子を注入、受精卵を作って子宮に戻す方法だ。
人見さん夫妻の場合、四つの受精卵を凍結保存した。

ただ、人見さんには「不妊の原因がない妻に負担をかけてしまった」という思いも強く残っている。

妻は卵子を採取するため、同年10月、自ら腹部に排卵誘発剤を注射したが、その副作用で、腹部の不快感や吐き気などの症状が出て、約1か月間入院した。


新型コロナウイルス流行に伴う面会制限で、会うこともできず、電話で励ますしかなかった。

妻の体調が回復し、21年3月に受精卵を子宮に戻したが、この時は育たなかった。
21年8月に2個目の受精卵を子宮に戻すと順調に妊娠、22年5月に長男が生まれた。

今、人見さんは「お風呂に入れたり、公園で遊んだりと、子どもと過ごす時間をたまらなく大切に思う」。
2人目の出産を目指し、残りの受精卵を使った不妊治療を年内に始めたいと考えている。

国は、不妊治療の負担を減らそうと22年4月、高額だった顕微授精などを保険診療で実施できるようにした。
マイクロTESEも保険適用になった。

ただし、人見さんが治療を受けた当時は保険適用になる前だったため、「まとまった費用を工面するのが大変だった」という。
公的な助成制度を活用しても、一連の治療のために100万円程度支払った。

男性不妊の治療を巡っては、TESEなどの手術に習熟した医師が限られることも大きな課題だ。
日本生殖医学会が認定する「生殖医療専門医」は973人いるが、このうち男性の不妊治療にあたる泌尿器科医は71人しかいない(22年4月現在)。
山崎さんは「精子を回収する手術には高い技術が求められる。不妊治療の専門医資格をもつ泌尿器科医に診てもらうのが望ましい」と話す。
同学会のウェブサイトで専門医のリストを閲覧できる。




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(人工授精・体外受精・顕微授精)
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