がん治療と妊娠・№1             2018年 2月20日



●卵巣の一部を凍結保存
(読売新聞2017年9月26日の記事より引用)

その言葉をクリニックの医師から聞いた瞬間、目の前が真っ暗になった。
「子どもはあきらめてください。難しいと思います」名古屋市の会社員女性(35)が乳がんと診断されたのは2015年のクリスマスだった。
リンパ節にも転移していた。

その前月に受けた検査でがんの疑いは告げられており、心の整理はできているつもりだった。
ただ将来、赤ちゃんを妊娠できなくなるとは思ってもいなかった。

抗がん剤治療の影響で卵巣機能がダメージを受け、妊娠できなくなる可能性が高いという。

帰り道に一人で立ち寄った喫茶店。
行き交う恋人たちや家族連れの笑顔が窓越しに見えると、ポロポロと涙がこぼれてきた。
「まだわからないよ。調べてみたら」。
患者会で知り合った女性がん患者に助言を受けたのは、年が明けた16年1月。
その患者は妊娠する可能性を残そうと、卵子を凍結保存していた。

「まだ可能性があるかもしれない」。
かすかな望みを感じた女性は医師の紹介で、岐阜大学病院(岐阜市)を訪ねた。
周産期・生殖医療センター長の古井辰郎さんが、妊娠する能力の温存に関するカウンセリングを行っているからだ。女性は独身。
ただ、将来は赤ちゃんがほしいという希望を聞いた古井さんは、三つの選択肢を示した。

一つは卵巣の凍結保存
事前に腹腔鏡と呼ばれる内視鏡による手術で卵巣の一部を取り出し、がん治療の後に体内に戻す。
多くの卵子を保存できる可能性がある。1~2週間と短期間で取り出せる。
ただ、まだ研究段階で有効性などに未知な点が多い。
同大など約30施設で行われている。

もう一つは、卵子の凍結保存
人工的に排卵を誘発するため、半月から3ヵ月かかる。
保存できる卵子の数が限られるが、すでに医療として確立している。

三つ目は、何もせずにがん治療に入ることだった。


女性は妊娠できる可能性が最も高いと思った卵巣の凍結保存を選んだ。
女性はまず、別の医療機関で手術を受けて乳房を全摘。
同大病院で2月に卵巣の一部を取り出す手術を受け、院内のタンクで保存してもらった。
保険は利かず、費用は約60万円かかった。
その後、抗がん剤と放射線による治療を受けた。

今は仕事にも復帰し、がんの再発を防ぐホルモン注射を毎月打っている。
女性は「いつか妊娠できる可能性がある。
その事実が、つらい治療に立ち向かう勇気をくれた」と振り返る。

古井さんは「命に関わるがん治療が最優先なのは当然だが、治療に当たる医師は若い患者に、妊娠する可能性を残す方法があることをしっかり説明するべきだ」と話している。





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