不妊の保険適用                2021年 8月 2日


(山陽新聞2021年7月31日の記事より引用)

●丁寧で納得できる議論を

希望しながら子どもができない夫婦らが受ける不妊治療に公的医療保険を適用するための議論が、中央社会保険医療協議会(中医協、厚生労働省の諮問機関)で今月始まった。
来年4月のスタートを目指し、適用対象とする治療や薬剤の範囲を年内に決める。

不妊治療への保険適用は、菅義偉首相が掲げる少子化対策の目玉だ。
政治主導でスピード感をアピールする狙いも透けて見えるが、結論を急いではならない。

中医協は、日本生殖医学会が6月に公表したガイドラインを議論の参考にする。
治療や検査といった113項目について推奨度を3段階で評価している。
このうちレベルAの「強く推奨」と、レベルBの「推奨」の項目から適用対象を選ぶ方向で検討される見通しだ。

適用が決まった治療や検査は来年2月ごろに具体的な公定価格を決める。
そこまでの過程で、最大の焦点となるのは具体的に何を入れ何を外すかの「線引き」となる。

適否の判断に当たって、最優先すべきは安全性と有効性だろう。
中医協も、安全で有効な治療は広く保険適用する方向性を確認している。

現在、不妊治療は検査など一部を除き、全額自己負担の「自由診療」がメインとなっている。
治療の種類は多岐にわたり、費用と質は医療機関や医師によって大きな開きがあるとされる。


作業ではガイドラインだけに依拠するのではなく、必要に応じて実態に詳しい専門医の意見も聞きながら内容を精査すべきだ。

公的医療保険制度に取り組み以上は、治療を受ける人だけではなく、できるだけ多くの国民の理解と納得を得る視点を忘れてはならない。
そのためにはオープンな場で丁寧な議論を重ねていかねばならない。

子どもを持つかどうかは個人の自由意思とはいえ、晩婚・晩産化を背景に不妊治療は増え続けている。
しかし体外受精1回の平均費用は約50万円、治療の回数は平均3.7回に上り、途中で諦める人も少なくない。
原則3割負担の保険適用は、ハードルを下げる意味で転換点になろう。

こうした経済的負担の軽減と併せ、治療に専念できる環境の整備も加速させたい。

従業員の不妊治療を支援する制度を設けている企業は少なく、治療と両立できず離職する人は2割近くいる。
必要な範囲で休めるよう半日や1時間といった単位での有給休暇取得の容認など会社のサポートも求められている。

心のケアも欠かせない。
体外受精などの治療を受けている女性の半数以上が軽度以上の抑うつ症状を抱えているとの調査結果もある。
行政は自治体が設けている不妊専門相談センターの利用を促すなど細やかな対応が必要だ。

医療制度改革を、妊娠の希望をかなえられる社会に近づく契機としたい。





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