不妊治療 不安消せず              2021年 4月 1日


(山陽新聞2021年3月29日の記事より引用)

●今年から支援拡大 県内当事者の声

不妊治療支援を少子化対策の目玉に掲げる菅政権の下、治療費への助成が今年に入り拡充された。
2022年度には公的医療保険も適用される見込みだ。
ただ、治療を受ける当事者は経済的な問題以外にも、さまざまな課題を抱える。
仕事との両立、治療の終わりが見えない不安、孤立…。
求められる支援について県内で不妊治療を受けている女性や支援グループを取材した。

「気づけば3年。こんなに長くかかるなんて思っていなかった」。
倉敷市の佐藤直子さん(33)=仮名=は疲れた顔で話す。

不妊治療を始めたのは結婚して3年たった頃。
子どもが好きで「結婚すれば、すぐに授かるもの」と思っていた。
検査で異常は見つからず、排卵日を予測して性交渉する「タイミング方」から始め、1年後に「体外受精」に移行した。

体外受精は、体内から取り出した卵子に精子を結合させた受精卵を子宮に戻す。
佐藤さんは1回目で着床したが、出血し流産。

凍結していた他の受精卵でも2回移植したが着床せず、クリニックを変更した。
そこでも着床後に流産した。

不育症の専門医を受診し、自己免疫の異常により胎盤に血栓ができやすくなっている可能性を指摘された。

治療は続けるつもりだが、不安は強い。
もともとフルタイムだった仕事はパートタイムに変えてもらった。
排卵周期などに合わせて治療するため急な受診が多く「突然休んだり、勤務時間を変えてもらったりするのが申し訳なかった」という。

治療費の負担も大きい。
これまで助成を除き150万円を費やした。
2回目以降の治療助成額が1月から倍増され、初回と同様30万円まで出るようになったが、採卵・移植1回で約50万円かかる。
助成は6回が上限で、それまでに終わるかどうかも分からない。

「次の採卵でうまくいかなかったら、もう頑張れる気がしない」と佐藤さんは漏らす。



●仕事、費用、流産…「経験聞く機会あれば」

「追い詰められて冷静な判断ができていなかった」と振り返るのは、30代で4年間不妊治療を受けた岡山市の前田美幸さん=40代、同=だ。
「真っ暗なトンネルを歩いているようだった」と言う。

1人目が産まれた後、なかなか妊娠せず、治療を始めた。
体内に精子を入れる「人工授精」を5回した後、体外受精で6回採卵し、10回ほど移植したが、着床しなかった。

何カ月もかけて服薬や注射で体の状態を整えて臨み、「合格発表を待つ受験生のような心境で結果を聞いた」。
気持ちの浮き沈みが激しくなり、「死にたい」と思うようになった。
それでも、これまでの努力を無駄にしたくないと続けてきた。

幸い「最後の1回」と臨んだ移植で妊娠。
「これで駄目なら1千万円集めて海外で卵子提供を受けようと思っていた」という。

不妊治療を受けていることは職場や友人には言っていなかった。
理解してもらえないと思ったからだ。
当時、治療をやめる選択肢もあったはずだが、一切頭になかったという。
「治療の流れだけでなく、心や仕事への負担などを経験者から聞ける機会があればよかった」と今は思う。


●不妊治療

厚生労働省によると、約5.5組の夫婦が検査や治療を受けており、「体外受精」や顕微鏡を使って卵子に精子を注入する「顕微授精」には国の助成制度がある。
1月に所得制限が撤廃され、助成額も初回のみ30万円、2回目以降15万円だったのを2回目以降も30万円とした。
治療開始時に妻が40歳未満の場合、通算6回(40歳以上43歳未満は3回)までの回数制限は子ども1人ごとに6回(同3回)に改められた。。




☆病院では精子と卵子の出会いの距離を確実に近づけてくれます。
(人工授精・体外受精・顕微授精)
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