不妊と向き合う・№2             2018年 9月30日



(読売新聞 2018年8月30日の記事より引用)

●LINEで相談■休職制度新設

働きながら不妊治療を行う人が増える中、そうした従業員向けの支援策を用意する企業が目立ってきた。
ダイバーシティー(多様性)を重視する立場から、仕事との両立をサポートする。

小田急電鉄(東京)は9月中旬から、不妊治療の悩みに専門家が個別に応じる外部の相談窓口を設ける。
社員とそのパートナーが無料で利用できる。
人事部の細川詩織さんは「宿泊を伴う鉄道の現業部門で働く社員でも、勤務形態を踏まえた助言をもらえるような態勢を整えた」と話す。

相談は無料通信アプリ「LINE(ライン)」を介して行われ、アンケートに答えると、不妊症看護が専門の看護師などが悩みを聞いたり、治療面で助言したりする。

このサービスを提供するのは、妊活支援事業を手がけるファミワン(東京)。
社員の石川勇介さんも不妊治療経験者で、「患者は孤独になりがち。専門家や企業と共に、夫婦をサポートしたい」と話す。


●治療 職場がサポート

不妊治療に専念できるよう休職制度を設ける企業も登場している。
2016年に導入した日本航空(東京)は最長1年の休職が可能で、客室乗務員を中心に約30人が利用中だ。
フライトがあると急な通院が難しいが、制度により腰を据えて治療できる。

同じ立場で業務をこなせる人が複数おり、休職中の人員配置に支障はない。
妊娠に至らず復職しても気兼ねなく話せる雰囲気があり、戻った社員は働き続けている。

富士ゼロックス(東京)は12年に両立支援関連の制度を見直した際、最長1年の休職制度を新設した。
不妊治療の費用を共済会が年1回5万円補助する制度もあり、男性社員からの申請が多いという。


行政も後押しする。
東京都は18年度、治療向けの休暇・休業制度など四つの条件を満たせば、都内の企業1社につき最大40万円の奨励金を支援する事業を始めた。
前期の募集には予定の2倍以上の応募があった。
厚生労働省は「不妊治療連絡カード」を作成し、ホームページで公開。
一般的な治療の流れも記載され、患者が職場で細かく説明せずに済みそうだ。

もっとも、厚労省の17年度の調査では、企業の70%は治療中の従業員への支援制度がなかった。
「要望が表面化していない」
「治療中の従業員を把握していない」
などが主な理由だ。
治療中の40代の女性会社員は「治療したのに妊娠できないと思われるの嫌だし、頻繁な通院の理由を説明しても理解してもらえるか不安だ」と打ち明ける。


従業員側から声を上げるのは難しい。

参考になるのがサイバーエージェント(東京)の取り組みだ。
同社は月1日(半休も可)の妊活休暇を取得できるが、通常の有給休暇も含め女性社員が取得する休暇は全てfemale(女性)にちなんだ「エフ休」と呼ぶ。
周囲には妊活休暇とわからない。

少子化ジャーナリストの白河桃子さんは「働き方改革に伴う有休の取得促進や、フレックス、テレワーク、時間単位で取得できる有休など選択できる働き方の普及が、不妊治療に大きく貢献する。仕事に集中する時期や、治療と両立する時期を選べるよう、柔軟なキャリア形成が可能になるとよい」と話している。





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