不妊と向き合う・№5(読者の声)       2018年10月27日



(読売新聞 2018年9月23日の記事より引用)

不妊治療を巡る患者の声や社会の動きを紹介した連載「不妊と向き合う」(8月29日から9月1日掲載、計4回)には、患者を中心に体験談や意見が多く寄せられた。
不妊治療がライフスタイルに与える影響の大きさが浮き彫りになった。


●不妊と向き合う 読者の声

仕事と治療の両立は大きな課題だ。
茨城県の女性(39)は正社員で働きながら治療し、妊娠にこぎ着けたが流産。仕事の負担を軽くして治療により集中しようと、同じ職場でのパートに切り替えた。
「職場での立場や安定した収入など、大事にしてきたものを手放しました」

兵庫県のパート女性(42)は持病の膠原病の治療と並行して不妊治療をしてきた。
限られた排卵のチャンスに合わせた治療を目指すが、仕事で通院できず大切な機会を逃したこともある。
治療費を得るために仕事は続け、「後悔しないように自分が納得いくまで治療したい」。



●経済的負担重く/夫婦間で認識の差も

金銭的な負担も重い。
高額の費用がかかる体外受精、顕微授精に対し、都道府県などは国の補助を受けて治療費を助成している。
しかし、治療開始時に妻が43歳未満、夫婦合算の年間所得が730万円未満などの条件がある。

大阪府内で働く管理職の女性(39)は今年、顕微授精に1回約50万円を費やしたが、助成の対象外となった。
「経済的な負担は大きい。すべて保険適用にし、所得制限もなくしてほしい」と訴える。

連載に登場し、通算18年間の治療に約800万円費やした沖縄県の女性(47)も「治療費を支払うため、貯金を全部崩し、それでも足りずに生命保険を解約しました」と振り返った。

夫婦2人の生活を選んだ人の手紙もあった。
首都圏の30代夫婦は、夫が無精子症と判明し手術を受けた。
第三者からの精子提供や里親も医師から提案された。
「2人で初めて声を出して泣きました」。
精神的に追いつめられ半年間外に出られなくなった。
今はネコを飼い、野菜をつくって「楽しく生きています」。

夫婦の考えの相違から治療に進めないケースもある。
首都圏の40代女性会社員は晩婚。
不妊治療を望んだが、「不妊治療は不自然」と考える夫の反対で、治療できなかった。
「治療できる人が羨ましい」と話し、「不妊治療は恥ずかしくないという認識を男性側にもっと持ってほしい」と力を込めた。


東北地方の40代男性会社員は未婚だが、検査で男性不妊が判明し、女性との交際でもそれがネックとなってきた。
不妊治療の当事者に共感する部分も多く、「国は支援をもっと手厚くすべきだ」と話した。

●「現状は情報不足」

不妊治療に詳しい静岡大学教授の白井千晶さん(社会学)の話
「不妊治療は選択肢の一つ。治療をするかしないか。体外受精の段階まで進むのか。キャリアとの両立をどう考えるか。産まないという選択も含めて、決めるのは当事者自身。しかし、夫婦で今後の生き方を考えるための情報が現状では足りない。医療や教育など多方面から積極的に情報提供すべきだ」



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