クローン病でも妊娠・出産           2018年 9月15日



(読売新聞 2018年3月14日の記事より引用)

●増える腸の難病

横浜市のA子さん(35)は1月末、横浜市立大学市民総合医療センターで約2600グラムの女児を出産した。
腸が炎症を起こし、下痢や腹痛などが表れる「クローン病」を患っていたが、薬で治療しながら妊娠・出産を乗り切った。
主治医で内科医の国崎玲子さんは「本当に頑張った」と話す。

クローン病は原因不明の腸の難病。
若い人を中心に急増しており、国内に約4万人の患者がいる。
特効薬はなく、数種類の薬を症状に応じて使い分ける治療が中心。
炎症がひどい部分の腸を切除することもある。

A子さんは高校2年の冬に診断を受け、治療を始めた。
「将来、結婚して子どもを持てるかな」「薬を続けたまま妊娠できるのだろうか」。
初めて聞く病名に戸惑い、入院中のベッドの上で不安が膨らんだ。


この病気は症状がいったん治まってもぶり返すことが多い。
A子さんは症状が重く、腸に穴が開いたり、消化物が詰まりやすくなったりして、腸を切るなどの手術を4回受けた。
大腸はなくなり、おなかにストーマ(人工肛門)も造った。

この間、会社員だったA子さんは職場で知り合ったB男さんと結婚した。
2015年、免疫調整薬と併用していた生物学的製剤の量を増やすと症状が治まり、自然と「子どもが欲しいね」という話になった。

腸に炎症がある状態で妊娠すると、流産や低体重児出生のリスクが高まり、自身の病状も悪化しやすくなる。
同センターでは、クローン病などの患者の妊娠・出産に産科が積極的に取り組んでおり、国崎さんも「妊娠中も薬で治療を続けられる。病気が落ち着いている今なら安全に妊娠できる」と励ました。

意を強くしたA子さんだが、翌年、クローン病の合併症とされる腎臓の病気が判明。
この治療に使う大量のステロイドが心配になった。
量を減らしてから妊娠すれば、胎児への影響はないというが、「本当に大丈夫?」と不安になった。「でも、そのたびに先生方が説明してくれたので、覚悟ができた」と振り返る。

腎臓病の治療を終えたA子さんは、卵管の異常などが見つかったため、昨年4月に不妊治療を始めた。
腸の炎症も治まっており、幸いすぐに妊娠。
生物学的製剤も胎児に大きな影響はないとされるが、念のため妊娠30週目に一時中断し、海外で評価が定まっている免疫調整薬で治療を続けた。
国崎さんは「現在は多くの患者が、適切な治療によって安全に出産することができる。治療と妊娠について、あらかじめ主治医とよく相談し、計画的に進めることが重要」と話す。





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