無痛分娩・№4                2018年 5月 5日



(読売新聞 2017年8月29日の記事より引用)

●産科麻酔科医の育成を

おそらく最初で最後のお産。
ようやく授かったわが子の安全を第一にー。
今年1月、山王バースセンター(東京都港区)で出産した鶴野ゆかさん(43)は、そんな思いで無痛分娩を選んだ。
無痛分娩は、痛みが和らぐことで母親の呼吸や血圧が安定し、おなかの子のストレスを減らす。
高齢妊婦というだけでなく、ギャラリーの経営者でゆっくり仕事を休めない鶴野さん。
産後の疲労が少ないことも、適していると考えた。
妊娠中期の母親学級では、担当の麻酔科医、大原玲子さんから説明があった。
麻酔の管を入れる時の痛みについて質問したところ、緩和する手順を丁寧に答えてくれた。
無痛分娩が普及する米国で産科麻酔の経験を積んだ大原さんの経験も心強かった。


当日、大原さんは麻酔を入れた直後、おなかの表面に手をあて感覚を尋ねた。
麻酔の効果を確かめる検査で、万一の合併症を防げる。
無痛といっても、赤ちゃんが降りてくる感覚、圧迫される痛みはあった。
鶴野さんは、「なるべく、器械で赤ちゃんを引っ張る処置は避けたい」と希望。
それに合わせ、自分でいきむために必要な感覚が残るよう薬の量を調整してくれた。
無痛分娩の麻酔は、通常の手術麻酔と異なる記述が求められる。
お産の進行、薬の効き目や痛みの感じ方は人それぞれ。
骨盤や赤ちゃんの大きさによっても、痛みに差が出る。
大原さんは、
「一人一人のお産への思いも踏まえ、お産の進行を防げない麻酔をしている。万一、麻酔で問題が起きても、早く気づける体制があれば安全で満足度の高いお産を提供できる」と話す。

お産が進み、いよいよ分娩室に移動となった時、わが子に会えるうれしさから涙があふれた。
立ち会った夫、英人さん(56)は、「妻が痛みに苦しんでいたら、いたたまれなかっただろう。終始穏やかだったので、誕生の感動を一緒に味わえた」と話す。
現在、娘は7か月。
お座りができるようになった。
鶴野さんは、安全で快適な無痛分娩には、産科麻酔科医の存在が大切と考える。
しかし、国内では出産の麻酔を専門とする医師はごくわずか。
産婦人科医が出産への対応も麻酔も担う医療機関が一般的だ。
鶴野さんは、「無痛分娩体験者として、その良さはもちろん、産科麻酔科医の育成が必要だと伝えたい」と話している。



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