妊婦の不安どう支える・№2          2018年 9月10日



●新型出生前検査 拡大

(読売新聞 2018年1月30日の記事より引用)

■学会の指針

日産婦は施設の拡大方針を固めた背景に、こうした認定外施設の存在がある。
認定した89施設以外で、「希望する妊婦がいる」などの理由で35歳未満も対象にするなど指針外の検査が行われている。
ただ、学会指針には反しているが違法ではない。
厚生労働省は静観の構えで、昭和大(東京)の関沢明彦教授は「現行の体制に限界がある。カウンセリングが整った検査を幅広く出来る体制を整えるべきだ」と指摘する。

日産婦の描く青写真は、臨床遺伝専門医など遺伝カウンセリングの専門家の配置を求めた認定条件を緩和する。
全国に約1500人と少ないためで、代わりに遺伝カウンセリングの研修を受けた産婦人科専門医を条件にする案が有力だ。
研修を受けられるのは「当初、200人程度」(日産婦関係者)とされるため、施設は300程度に増える可能性がある。
臨床研究には五つの学会などが関わっており、急激な拡大には慎重な学会もある。
日本人類遺伝学会監事の福嶋義光・信州大特任教授は「認定条件は十分な遺伝カウンセリングを行うため。条件は変えるべきだと思っていない」と否定的だ。



■35歳未満でも

らさに日産婦は年齢や対象も段階的に拡大したい考えだ。
当初、若い妊婦ほど精度が落ちるとされ、年齢制限(35歳以上)の根拠となっていた。
しかし、最近の米国の研究で35歳未満でも精度が変わらないことが判明。
年齢的に新型検査を受けられない妊婦が、精度の低い他の出生前検査を受けざるを得ない現状もあり、「年齢制限を設ける理由はない」(複数の日産婦関係者)との声が上がる。
厚労省によると、2016年に生まれた約97万人のうち、母親が35歳未満の出産は約70万人と7割以上を占める。
年齢制限がなくなれば、対象は3倍以上に増える。
対象疾患についても、欧米ではすでに性染色体の病気なども調べている。
年齢や対象疾患が拡大されれば、新型検査は誰もが受けて当たり前の検査に近づく。
しかし、開始から4年半で、検査で陽性と確定した妊婦の9割以上は人工妊娠中絶を選んだ。
障害がある子どもを安心して育てられないと判断した結果ともいえる。
検査を受ける自律的な意思を尊重する一方、障害があっても生きやすい社会をつくるためには何が必要か。そうした議論も必要だ。
石井哲也・北海道大教授(生命倫理)は「臨床研究から一般診療へと移行するのであれば、これまでの実績や浮き彫りになった課題などを公開シンポジウムなどで広く世に問い、様々な意見を聞いた上で進めるべきだ」と指摘する。

続きは№3でご紹介します。




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