パパと産後ケア・№3              2019年 8月31日



(読売新聞 2019年4月26日の記事より引用)

●育児サポート探し出す

うつ病の妻の看病。
乳飲み子の育児。
漫画家の仕事。
追いつめられて一時は自身もうつ状態に陥ったが、埼玉県のしろさん(36)は、その苦境を乗り越えた。
救いを求めれば、サポートは周りに大勢いたのだ。

妻で漫画家の月ヶ瀬ゆりのさん(38)はうつ病の治療中で、午前中は起きあがれないこともある。
2017年夏に長女が生まれると、しろさんの仕事は滞った。
数十分おきに娘が泣くと、手を止めて、オムツを替えたり、ミルクをあげたり。
泣きやまない時は、娘を胸に抱いたまま、パソコンに向かった。

取材のための外出もままならず、連載の間隔は、隔週から月に一度に延びた。
収入が減り、「妻子を養えなくなる」「世間に忘れ去られる」という焦りを感じた。
不安で眠れなくなり、疲れも抜けない。


こんな生活が3か月も続くと、頭が働かず、アイデアも湧いてこなくなった。
イライラした気持ちを誰にもはき出せず、舌打ちを繰り返した。
娘の泣き声に耐えられない。
11月の夕方、はだしの娘を抱いて家を飛び出した。
2時間歩き回って帰宅すると、憔悴しきった妻がいた
夫婦だけでの育児は限界に達していた。

しろさんは、妻と協力して、手当たり次第にサポーター探しを始めた。
まずは、長女を預ける保育園だ。

市に聞くと「認可施設は空きがない」。
約10の認可外施設に電話をかけたが、全滅。
「見学だけなら」と言ってくれた唯一の園を妻が訪れた。
認可外は利用者が園に直接申し込めるため、交渉の余地があった。

「このままでは子どもを虐待してしまう」と訴えると、ベテランの女性園長は、「もしかしたら」と、乳児専用の認可外保育施設に電話し、事情を伝えてくれた。
その施設に、職員数が手厚い週2日、娘を通わせることに決まった。
12月からは空きが出て、週6日預けられることになった。

2駅離れた園への送迎も、地域の有償ボランティアを借りた。
緊急時の子どもの預かりを相談できる市の「緊急サポートセンター」が窓口になり、協力者を探してくれた。
送迎は1回1200円。
保育料と合わせて月10万円の出費は痛いが、しろさんには仕事ができる環境が戻った。


友人の存在も大きかった。
週末、しろさんは学生時代の友人を自宅に呼んだ。
娘を抱っこしてもらうだけで心が軽くなった。
妻はママ友に離乳食を分けてもらった。

動き出すのがあと1か月遅ければ、夫婦で共倒れになり、暮らしが崩壊していたかもしれない。
しろさんは今、孤立して苦しんだ頃がうそのように、娘を通して新しい世界が広がっていくのを実感している。



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