ピルと向き合う                2020年 2月 6日


(読売新聞2019年9月4日の記事より引用)

●閉経前後に薬切り替え

月経や出産、閉経など、女性には女性ホルモンの働きが常に深くかかわる。
ホルモン量を調節し、排卵を抑え、月経困難症の治療などに使われる低用量ピルは、どのように利用されるのか。

「ホルモン補充療法に変えましょう」。
ピルを飲み続けてきた東京都内の臨床心理士Bさん(51)は50歳を目前にしたある日、定期的に受診する、よしの女性診療所(東京都中野区)で、産婦人科医の吉野一枝さんから提案された。

女性ホルモンが急激に減る閉経前後を、更年期と呼ぶ。
一般的に、頭痛や目まい、ほてりなどの症状が出やすい。
ホルモン補充療法の薬は、含まれるホルモン量がピルより少なく、症状の改善に使われる。

Bさんは受診時の検査で、ホルモンの値が閉経を示していた。
ピルの服用で体調の変化を感じず、気づかなかった。

飲み始めは40歳頃。
仕事をしながら、子どもの学校で3度目のPTA役員を任された。
それがストレスとなり、月経不順になると、不眠も続いて体調が悪化した。
以前から月経中は出血量が多く貧血に悩まされたため、「つらい症状を改善したい」と考えた。


服用には、血管内で血が固まって詰まる血栓症に気をつける必要がある。
飲まなくてもリスクが高まる40歳以降、主治医は処方を慎重に判断する。
50歳以降は原則、使わない。

「ピルのお陰で仕事や子育てに集中してこられた。突然やめたら体調が悪化するのでは、という不安があったけど、切り替えた今、ホッとしています」とBさん。
吉野さんは「その人それぞれの健康状態や症状、ホルモンの状態を知りながら、切り替え時を見極めることが大切です」と語る。

一方、ピルの活用で計画的に妊娠した女性もいる。
西国分寺レディースクリニック(東京都国分寺市)の看護師高橋清子さん(38)は、生理痛のつらさを抑え、薬を理解したいとの思いから、25歳で飲み始めた。

28歳で結婚後、1年間は妊娠を避けたかった。
子どもが欲しいと思い、29歳でピルをやめると、月経を迎えることなく妊娠した。

ほとんどの人は、ピルを飲むのを中止して3か月頃までに排卵が再開するという。
直後に妊娠した場合も赤ちゃんへの影響がないとされる。

クリニック院長の佐藤力さんによると、排卵が不順で悩む女性も服用をやめた直後は妊娠しやすくなる。
「計画的な妊娠は子どもを大切に育てるうえでも大事。妊娠を考える時はピルの飲み終わりも調整すると良いので、主治医に相談してほしい」と説明する。

高橋さんは第2子も出産し、服用を再開した。
ピルについてクリニックで患者に説明することもある。
「私自身が体験を話すことで、安心してくれる患者さんも多い。イメージだけで服用を悩む女性もいるので、まず知ってから考えてもらえたら」と話す。




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