産後の健康管理・№2             2018年 4月21日



●疲労、震え 甲状腺に異常
(読売新聞2017年11月22日の記事より引用)

産後1か月の健診で子宮や乳房の状態や精神面のチェックを受け、「もう大丈夫」と太鼓判を押されたにもかかわらず、出産に関連した不調をきたすことがある。
特に代謝を調整する甲状腺の病気は、産後2か月以降に5~10%の女性が経験する。
様々な症状が出るが、本人も周囲も単なる育児疲れと思いがちだ。

2015年1月に長男を出産した東京都世田谷区の吉永昌美さん(35)は、産後2か月の時、手の震えに気づいた。
小児科で問診表を記入する際、うまく書けなかった。
その後、冬でも汗が止まらず、のどが渇くなど症状が増えていった。
同年5月、入浴後に激しい動悸が止まらず、救急病院に搬送された。
血液検査の結果に異常はなく、帰宅したものの、横になっても脈拍は落ち着かない。
震える手でスマートフォンを操作して検索すると、甲状腺ホルモンが過剰になる「甲状腺中毒症」の症状と一致した。


救急病院では甲状腺の検査はなく、詳しい医師がいる同区の国立成育医療研究センターを受診することにした。
「つらかったでしょう」母性内科医長の荒田尚子さんの言葉に、涙が止まらなくなった。
長男が笑顔を見せても、笑顔を返せない自分を責めていた。
血液検査でバセドウ病とわかった。
甲状腺ホルモンが過剰に作られ、新陳代謝が活発になり、汗や動機、震えなどが出る。
脈拍は150を超え、心不全の危険もあるため、まず入院して治療した。
今も、薬で甲状腺の働きを調整している。
甲状腺異常はほかにもいくつかタイプがある。

2歳の長女を育てる横浜市の角田直子さん(41)の場合は、産後3か月から「無痛性甲状腺炎」に苦しいだ。
抗体が自分の甲状腺の細胞を攻撃してしまう病気だ。
破壊された細胞からホルモンが全身に流れ出し。
中毒症状が出る。
1~2か月ほどでホルモンがすべて出た後は、ホルモンが不足した甲状腺機能低下症になることがある。
中毒症状がひどい時は、緩やかな坂道でも息切れし、洗濯物を干したり、子どもを湯舟に入れたりするのが重労働だった。
診断後、夫は早く帰宅し、家事や育児に積極的になった。
角田さんは「病気とわかり、私自身も張りつめていた気持ちが楽になり、周囲に頼れるようになった」と振り返る。
無痛性甲状腺炎の薬はないが、低下症になれば薬でホルモンを補う治療法がある。
荒田さんは「つらい症状を我慢する女性もいます。妊娠中から本人も周囲も甲状腺異常の症状を頭に入れておき、産後1か月を過ぎてから『おかしい』と思ったら、内科で甲状腺の検査をしてほしい」と話している。



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