新型出生前検査・№5              2019年11月15日



(読売新聞 2019年5月23日の記事より引用)

●一貫した母子支援が必要

「検査を受けたい」
京都府の杉井真衣さん(33)は、看護師の宮田郁さんに相談した。
染色体の病気「13トリソミー」で重い障害を持つ慶生くん(4)に続き、2人目を妊娠中だった。

「次の子も障害があるかもしれない。責任もって育てるためにも、早く知っておきたい」

通院している大阪医科大学病院(大阪府高槻市)の産婦人科医にも、宮田さんを通じて意向を伝えた。
おなかから羊水を採取する出生前検査を受け、問題はなかった。
2017年、健康な女の子を出産した。

宮田さんのことは、慶生くんがおなかにいる頃から頼りにしている。
初めて同病院を受診した26週目以降、いつも診察に同席していた。


同病院は、リスクの高い母子を対象に、産前から産後まで一貫した支援に取り組む。
胎児に病気が見つかったり、母親に精神的ケアが必要だったりと、困難を抱える母子に寄り添う担当者がおり、身近な相談役や、他の医療スタッフとのつなぎを担う。
それが、精神看護専門の宮田さんだ。

慶生くんの妊娠中、杉井さんには受診の度、よくない知らせが重なった。
「心臓に穴があいている」
「さい帯ヘルニアで腸がへその緒に出てきてる」
「13トリソミーの可能性が高い」ーーー。

おなかをボコボコ蹴る胎児は「元気な子に決まっている」と信じていた杉井さんにとって、受け入れがたい事実。
医師の話は頭に入らなかった。
うなずきながらも、どこか上の空な様子を、宮田さんは見逃さなかった。
診断内容をかみ砕いて話し、「何かあったらいつでも連絡して」と言い添えた。


妊娠36週の時、帝王切開で出産した。
慶生くんの泣き声に、「でかっ!」という宮田さんの声。
約3000グラムと大きめの赤ちゃん。
流産や死産も多い13トリソミー。
無事の誕生にほっとした。

一般的には、妊娠から出産までは産婦人科医や助産師が担当し、その後は新生児科や小児科医にバトンタッチする。
専門性に応じた役割分担が、診療の一貫性を滞らせることもある。

「母子にきめ細かい支援をするには、妊娠から子育てまで一連の情報を医療スタッフが共有することが大切。ただ、サポート体制が整っている医療機関は少ない」と信州大学教授の中込さと子さん(看護師)は話す。

13トリソミーなど3種類の染色体異常について、妊婦の血液から調べる新型出生前検査が登場し、羊水検査など従来の方法より胎児の病気が調べやすくなった。
母子のサポートが追いつかないまま、そのさらなる広がりが予測される。





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