体外受精、生殖補助医療の現状・№2       2016年10月16日


①体外受精の成績と年齢 
(山陽新聞 2016年4月18日の記事より引用)

体外受精は、卵子と精子が必ず出合い受精し子宮に入ることができるので強力な不妊治療法といえます。
採卵による不妊治療法である体外受精、顕微授精、凍結胚移植はまとめて生殖補助医療(ART)と呼ばれています。

体外受精は1978年にイギリスで、凍結胚移植は83年にオーストラリアで、顕微授精は92年にベルギーで、それぞれ初めて成功しました。

その後、ARTの技術は進歩して妊娠率が向上し、現在では普通の不妊治療法になりつつあります。


2013年にARTによって全国で約4万人の子どもが誕生し、同年の出生児数約100万人に対して25人に1人の割合になっています。

1983年の第1例目から2015年末までで日本でARTにより生まれた子どもの累計は約40万人と推定されます。

日本女性の結婚年齢の上昇は不妊治療の開始を高齢にしています。

当院での初回採卵時の平均年齢は20年間で32・9歳から36・4歳へと、3・5歳加齢しています。

卵子の加齢は挙児力の低下に直結します。

11~15年に1889回採卵し、2749回受精胚を子宮に戻し、583回出産できました。
これを1回の採卵でどのくらい出産できたか、2歳ごとの年齢別にグラフに示します。

29歳まででは108回の採卵に対して85回出産でき、79%の出産率ですが、年齢が増すごとに低下していき、42歳以上では採卵回数は398回で最も多いのですが、出産は18回で4%になってしまいます。

この加齢に伴う出産率の低下は、日本全国で同じ結果が報告されています。

子どもを望む人は、年齢が大きな障壁になることを知る必要があります。


◇ 倉敷成人病センター(086―422―2111)

もとやま・ひろあき 広島大付属福山高、岡山大医学部卒。岡山大医学部付属病院、高知県立中央病院、岡山赤十字病院など経て1981年から現職。2015年末までにARTにより2082人が分娩。日本産科婦人科学会専門医。

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

続きは№3でご紹介します。



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(人工授精・体外受精・顕微授精)
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