体外受精、生殖補助医療の現状・№6       2016年11月11日


③顕微授精、イクシ法
(山陽新聞 2016年5月16日の記事より引用)

▽成績

世界的にイクシ法の妊娠率は体外受精よりやや低く、その原因は研究が進展中です。

射出精子の場合、精子数による受精率、出産率には差がありません。


当院での受精率は体外受精と同じく約65%で年齢による差はありません。

精巣精子(TESE)ではごく少数の凍結精子しか得られず、精子注入後に卵子の活性化処理(細胞内カルシウム濃度上昇)を必要とすることも多く、受精率53%、出産率27%(40歳未満)と射出精子より低くなります。

各年齢群において採卵あたりの出産率は35歳未満で体外受精73%に対しイクシ法54%35~39歳で同40%対28%40歳以上では同13%対7%であり、クシ法の方が体外受精よりも低い出産率でした。


それに対して流産率は各年齢群ともに体外受精とイクシ法に差はありませんでした。
つまり、イクシ法での妊娠成立は体外受精より低いのですが、妊娠できた後は体外受精と同様に発育し、出産できると考えられます。

なお、両群とも出産率は加齢とともに下がり、流産率は上昇します。

イクシ法は生殖関連科学の知恵が集結して開発された強力なARTといえます。




◇ 倉敷成人病センター(086―422―2111)

もとやま・ひろあき 広島大付属福山高、岡山大医学部卒。岡山大医学部付属病院、高知県立中央病院、岡山赤十字病院など経て1981年から現職。2015年末までにARTにより2082人が分娩。日本産科婦人科学会専門医。

※登場する人物・団体は掲載時の情報です。

続きは№7でご紹介します。



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(人工授精・体外受精・顕微授精)
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