着床障害について

着床障害による不妊

着床障害とは、子宮内に何らかの原因があり、受精卵が着床しない状態のことを言います。
着床とは受精卵が子宮内膜に張り付くことをいい、それは母体と赤ちゃんが結びついたことを示し、医学的にはこの時点で妊娠が成立したと定義されます。

着床障害の特徴は、男性の精子の数や運動率も十分にあり、女性の卵子もしっかりと成熟し、排卵も定期的にある。
そして受精卵は無事に子宮まで運ばれるにも関わらず、
その後着床しづらく育ってくれない…
このような場合には着床障害の可能性が出てきます。

現在では、医療技術の進歩により様々な不妊症の研究が進んでいます。
しかし、女性の妊娠の仕組みの中でこの着床に関するメカニズムだけは未だ解明されていません。
そのため、体外受精などで受精卵を得られる確率は高いものがあります。
が、その後、着床障害が起こってしまうと妊娠する確率が下がってしまいます。



着床障害の原因について

原因はいくつかありますが、まず一番に「子宮内膜の状態が悪い」という事がいえます。

子宮内膜はエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)の作用によって月経開始から肥厚されていきます。
そして妊娠が成立しないと月経となってきれいに剥がされます。
しかしこのホルモンの分泌、特に黄体ホルモンの分泌が十分でないと子宮内膜の厚さが着床するために足りなくなってしまうのです。
子宮内膜の厚さが6ミリ以下では妊娠の継続が難しく、着床障害または黄体機能不全と診断されるでしょう。
つまり子宮内膜には着床の為に適した「厚さと状態」があるという事です。

■子宮奇形による着床障害
 生まれつき子宮の形が正常でないことがあり、これを先天性子宮奇形といいます。
 奇形の状態によっては不妊や流産の原因になり可能性もあります。

■子宮内膜炎による着床障害
 淋菌や大腸菌などが子宮に入り込んでしまい、子宮内膜に炎症が起きてしまうと子 宮内膜炎になります。
 子宮内膜に炎症が起きると、受精卵の着床が妨げられてしまうので、これも不妊の 原因になってしまいます。

その他の原因として
■黄体機能不全
■子宮筋腫
などがあります。


 

卵管障害の漢方医学的解釈

子宮奇形や感染による子宮内膜の癒着などは形式的なもので、病院での治療になります。
しかしなかなか病院で診てもらっても原因がはっきりせず、着床がうまくいかないことも多いのです。
一番は体外受精です。
試験管内で精子と卵子を受精させるのが体外受精で、受精した卵を子宮内へ戻すのですが、着床がうまくいかないため芽が出なかったり(育たなかったり)、途中で枯れてしまったり(流れたり)するのです。

これらは子宮内膜の状態が一番の原因になります。
漢方薬はここにしっかりと働いて良い状態に持っていきます。
漢方は効きます。
子宮筋腫や内膜腫や内膜炎などでも漢方薬でいい結果が得られています。

一番問題は内膜が薄い事です。
厚みがいるのです。
子宮内膜の厚みを出すには、血液の材料とここに働く漢方薬がいります。
漢方が一番得意の分野です。
体質に合わせた処方を飲んで、その月に、または翌月に妊娠した方が何人もいます。
ぜひ、お任せ下さい。


■■■漢方参考■■■

●瘀血(おけつ)
 様々な原因で、血液の流れが悪くなった状態。
 一般に抹消で血流の停滞が起こっています。

●陰虚(いんきょ)
 体の潤い、体液・リンパ液(漢方では津液という)などが少なくなった状態
 一般に年齢と共に乾燥してくるのもこのためです。

●気滞血瘀(きたいけつお)
 気の流れが悪くなり、それに伴って血流も悪くなったこと。
 ストレス・緊張・けが・手術・自律神経の問題などで気の流れが悪くなり二次的に 生じたお血。
 「気は血の師」といい、気の流れが悪くなると血の流れも悪くなります。

●寒凝血瘀(かんぎょうけつお)
 体の中に冷えが凝り固まって(凝集して)血流まで悪くなった状態。
 刺すような痛みを起こします。
 古典に「陰虚積冷結気」とあり、もともと陰虚の体質の人に冷えが積もりに積もっ て気の詰まりが起こった、と条文にも出てきます。

●熱鬱血瘀(ねつうつけつお)
 気の流れが詰まりに詰まると熱を帯びてきます。
 イライラを我慢しているといつか噴火するようなものです。
 この熱によってお血を発症したもので、血も熱化してきます。
 頭痛や口の中の苦みが出てきやすくなります。

●湿熱血瘀(しつねつけつお)
 湿邪と熱邪がくっついて湿熱体質を作り、お血を発症した状態。
 血の流れを回復するために、湿と熱を分ける(湿熱分消しつねつぶんしょう)して 流れを戻していきます。

●痰瘀結互(たんおけつご)
 血分といわれる主に血管に、痰といわれる濁った体液の邪が入り込みベタベタとく っついて血流を悪くしたもの。 
 重い慢性病のほとんどがこれです。

●気虚血瘀(ききょけつお)
 体を動かすおおもとの気が疲れなどにより弱り、それに伴って血流が悪くなったも の。
 食欲が落ちたり、息切れが出たりします。

●陽虚血瘀(ようきょけつお)
 気がバテただけでなく身体を温める力まで弱って陽虚(ようきょ)になり、血の流 れも弱った状態。
 手足の冷え・温かい飲食を好む・寒がりなどの体質になります。

●腎虚血瘀(じんきょけつお)
 腎気不足から腎精が傷み、血流に影響が出たもの。
 腰がダルイ・めまい・のぼせ・耳鳴り・休憩をしたがるなどの症状が出ます。


漢方薬はこれらの傾いた体質を元のいい状態に引き上げていきます。。
同時に、不妊の原因となる「虚・邪」を除き若々しい体質に戻していきます。
その結果、任脈・血海・胞宮・衝脈の流れがよくなり、妊娠の可能性が飛躍的に向上します。

また、妊娠がわかったら、流産防止のスペシャル漢方をみなさん飲まれていい結果が出ています。
妊娠中に飲む漢方もあるのです。
生まれてくる赤ちゃんにアレルギーを遺伝させないための専用の漢方もあります。
産後二人目を望まれる方の為に、肥立ちを良くする漢方もあります。

ぜひ、あなたの体質に合わせた専用の漢方薬で若々しい元気な体を取り戻してください。