ターナー症候群・№1             2018年 1月29日



●「国を動かした家族会」
(読売新聞2016年5月19日の記事より引用)

「患者さんに安心感を持ってもらえる看護師が目標です」。

ターナー症候群の岸本渚さん(27)(大阪市)は、かつての主治医、藤田敬之助さんに近況を報告した。
3年半ぶりの再会。
母、佐智子さん(52)の顔もほころぶ。
3歳の時、診断を受けた。活発でしっかり者。
小柄なこと以外、気になる点はなかっただけに、佐智子さんは「本当に病気?」と驚いた。
涙が止まらなかった。


女性の1600人に1人が発症する。
性染色体の一部が欠損している影響で、多くの患者に低身長や卵巣機能不全がみられ、自然妊娠が難しい。
子どもの頃に中耳炎や心疾患と診断される人もいる。
症状の現れ方は個人差が大きく、病気と知らずに成長し、不妊治療を受けて分かる人もいる。
視覚・空間知力が弱く、数学の図形問題や周りの状況をつかむのを苦手とする傾向がある一方、心優しい真面目な子も多い。

大阪市立大学病院などで診察する藤田さんは、子育てに悩む親を「治療や対策をすれば一般女性と変わりなく生きていける」と励ましてきた。
佐智子さんは、「ターナーの子を持つ母親と話したい」と藤田さんに相談。
悩みを語り合うと、「ひとりじゃない」と思えた。
藤田さんの協力を得て1993年、全国初の当事者・家族の会「ひまわりの会」を設立。
自宅の電話番号を公開し、相談に応じてきた。

小学校入学時、渚さんは身長100cmと際立って小さかった。
見た目をからかわれたが、「チビで何が悪いねんって言い返したった」。
たくましさは佐智子さんを勇気づけた。
この病気は、成長ホルモンが正常に分泌されていても、無治療ならば身長は約140cmで止まる。
成長ホルモンを投与すれば平均147cm程度まで伸ばせる。
だが、かつてはホルモン分泌が極端に少ない子のみが治療対象で、9割は薬を使えなかった。
専門医らは80年代から治験を行い、親たちも基準緩和を求める著名を国に提出。


99年末、多くの患者が恩恵にあずかれるようになった。
渚さんは治験に参加して7才から治療を受け、146cmまで成長した。
「不器用さや段取りが苦手な点はターナーの影響かもしれないけど、繰り返しやることで克服してきた」。
総合病院の看護師として忙しく働く毎日は、充実している。
佐智子さんは、病気が原因で自力では妊娠できない女性への卵子提供の窓口となるNPO法人「OD-NET」の代表も務める。

「困っている人のために尽くしたい。娘が与えてくれた使命だと思っています」

№2へ続く




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