ターナー症候群・№3             2018年 2月 6日



●身長、成熟ホルモンで調整
(読売新聞 2016年5月23日の記事より引用)

ターナー症候群の女の子の多くは、低身長と卵巣機能低下に対する治療を受ける。
まず成長ホルモンの自己注射で身長を伸ばし、その後、女性ホルモン補充療法で二次性徴を促す。
幼いうちから成長ホルモン治療ができれば、周りとの身長差を感じずに成長できる。
ただ、染色体検査は全員が受けるわけではなく、診断時期は様々だ。
治療開始が遅れると、十分に身長を伸ばせないこともある。


兵庫県の大学生B子さん(18)が診断を受けたのは、10歳と少し遅かった。
幼稚園の頃の身長は平均的で、低身長とは言えなかった。
その後、身長の伸びが周囲の子どもより遅れ、診断につながった。
治療を受けたターナーの女性の身長は平均147センチだが、伸ばせる時期には「締め切り」がある。
大人の骨に成熟すると、身長の伸びは止まってしまう。
治療を始めた時、B子さんは128センチ。
母親(47)は「他の子よりも治療期間が短い。ちゃんと伸ばせるだろうか」と心配したが、1年半で10センチ伸び、中学入学時には138センチに。
治療の効果を実感できた。
一方で、女性ホルモン分泌不全のため、思春期の兆候はみられず、中学に入っても子どもの体形だった。
いつから女性ホルモンの治療を始めるべきか。
主治医との話し合いを重ねた。
日本小児内分泌学会の指針は、女性ホルモンの治療を始める時期を12歳以降で140センチを超えた時としている。
大阪警察病院(大阪市)の小児科医、望月貴博さんによると、12歳で140センチに達する子は1割程度で、実際は16歳頃に始めている子が多いという。

近年、欧米に倣い、身長の伸びを妨げない微量の女性ホルモン補充を10歳頃から並行して行うことも多い。
女性ホルモンの量を数年かけて徐々に増やし、穏やかな成熟を促す。
女性ホルモンは微量でも精神面に影響するとみられ、「急にしっかりした」「大人びた発言が増えた」と驚く親が多いという。



治療開始が遅かったB子さんは、15歳までは背を伸ばすことを最優先し、成長ホルモンの投与を続けた。
155センチまで伸び、「悩みが一つ減った」。
14歳からの1年間は移行期間とし、通常の治療の10分の1の量から女性ホルモンの薬を服用。
段階的に増やし、15歳で初潮を迎えた。
女性ホルモンには、月経を起こし、骨を強くする働きがある。
望月さんは「骨粗しょう症や子宮体がんの予防、将来の妊娠を見据え、子宮を正常に保つためにも、きちんと治療を続けることが大切だ」と呼びかける。

№4へ続く




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