(山陽新聞 2022年4月20日の記事より引用)
命を宿して大きくなるおなか。
妊娠後期に差しかかると仕事は特にしんどかったー。
出産経験のある先輩のこんな一言が気になった。
ボクは26歳の独身男性記者。
少しでも実際の負担や気持ちを知ることができるのならばと思い立った。
腹部に重りをつける擬似体験器具の装置だ。
3月下旬に行った1週間の「妊婦生活」を報告する。
(小川耕平)。
「マジか…」。
あまりの重さに思わず声が漏れた。
見た目は肩ひものついたコルセット。
へそ付近の大きなポケットに砂袋を幾つも入れ、体にきつく巻き付けた。
登山用リュックサックを前掛けにしたようだ。
器具全体の重さは約5㎏。
働く妊婦が産休を取る直前の妊娠32~35週に相当するという。
●上・日常生活
一般的な妊婦体験イベントでは装着時間が5分程度と聞き、今回はあえて1週間と設定した。
仕事中も就寝中も身につけ、入浴以外は共にする覚悟で臨んだ。
とはいえ、想像以上に動きにくい。
いきなり変わった体の感覚に違和感を抱きつつ、早速取材へ向かった。
本社から約2㎏離れたギャラリーまで、いつものように自転車に乗った。
腹の膨らみでバランスが取りづらく、立ちこぎができない。
ペダルを踏むのも普段より力が要る。
10分ほどなのに大汗をかいた。
取材相手の女性の気遣いはうれしかった。
最初はお互い立った状態だったが、事情を説明するとすぐさま「妊婦なんだから座らないと」と声を掛けてくれた。
自転車をこいだ疲れとと体のだるさで会話に集中できていなかった。
座りたいと思っていたところだっただけに、何と有り難い言葉か。
それにしても仕事どころか歩くだけでも苦労した。
腰が前に反り、しばらくするとかかとがじんわり痛みだす。
体が揺れるような感覚にも襲われた。
帰宅後、一日の終わりにも難関が待ち受けていた。
風呂掃除だ。
前かがみの姿勢で浴槽を洗っていたら、危うくそのまま前に転びそうになった。
もし掃除の代わりを頼んだり、助けてくれたりする人がいなかったら、心細いと思う。
湯船に漬かった。
ようやく体験器具から解放され、力が抜けた。
<こんな調子で1週間も続けられるだろうか>。
早くも泣き言を口にしそうな自分がいた。
器具を着け直して布団に入ると、おなかがずっしりと重く、寝苦しい。
心身ともにダメージは増す一方だった。
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