(読売新聞 2023年2月28日の記事より引用)
飲み薬で改善が期待できる男性不妊もある。
結婚から2年過ぎても子どもを授からなかった山口県の看護師、カズオさん(44)(仮名)は2012年、近くの不妊治療クリニックで精液検査を受けると、精子の量が少ないことがわかった。
さらに原因を探るため、紹介された病院で詳しく検査すると、血液中の男性ホルモンと性腺刺激ホルモンの値が低かった。
これらのホルモンには、精子を作るよう精巣に指令を出す役割などがある。
カズオさんは、様々なホルモンの分泌に関わる脳の下垂体の病気を抱えており、この影響で男性ホルモンなどの値が低下していると考えられた。
この病院で週1回診察していた山口大泌尿器科教授の白石晃司さんから、クロミフェンという錠剤の使用を提案された。
クロミフェンは、性腺刺激ホルモンの分泌を促すことで男性ホルモンの値を高め、精子を作る機能を高める効果が期待できる。
本来は、女性に用いる排卵誘発剤だが、男性不妊への有効性も認められ、昨年4月に保険適用になった。
当時は、男性不妊への使用は公的医療保険の対象外だったので、自費診療という形で服薬。
検査費用も含め、月1万円前後の医療費がかかった。
服薬は2日に1回1錠。
飲み始めると、徐々に精子の量が増えた。
定期検査で精子の量などを確認しながら、自然な妊娠を目指す「タイミング法」を試みた。
すると、15年に長男(7)が誕生。
再び1年ほど服用すると17年に長女(5)も生まれた。
休日は長男のサッカーの練習に付きそうなど、忙しい日々を送る。
「この薬がなければ、子どもを授かることはなかったと思う。治療も服薬だけで済み、仕事や日常生活にも支障がなかったのが、ありがたかった」と語る。
そのほかに男性不妊に関係する飲み薬では、バイアグラなどの勃起不全(ED)を改善させる薬もある。こちらもEDによる男性不妊に限り、昨年4月に保険適用になった。
また、射精する際、ぼうこうの出口が閉じずに精液が逆流し、陰茎から十分な量の精液が出なくなる「逆行性射精障害」には、アモキサピンという薬が使われる。
元々は抗うつ薬だ。
ただ、アモキサピンは発がん性を持つ可能性がある物質を含むことが昨夏判明。
厚生労働省の有識者会議で昨秋、「リスクはかなり低い」との意見も出たが、メーカーは「長期的な安全性は不明」として自主回収を開始した。
販売再開の見通しは立っていない。
白石さんは「医師の間でも、男性不妊の有効な薬があまり知られていない。精液検査で問題が指摘されたときは泌尿器科の専門医に相談してほしい」と話す。
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