男性教員の育休低迷              2023年 6月 1日


(山陽新聞 2023年5月31日の記事より引用)

●21年度6.3% 講師確保や意識改革急務

「身近に前例が全くなく不安もあったが、貴重な経験ができた」。
小学校教員高橋圭司さん(40)=岡山県勝央町=は、22年5~8月の産育休の後に同じ教職に復職した妻(34)を引き継ぐ形で育休を取った。

初めての寝返り、はいはい、つかまり立ち…。
今春まで7カ月間の育休は、わが子の日々の成長に立ち会える喜びがあった。
「教え子もこうした発達段階を経て今があると実感した。焦らず、その子に合わせた指導をより心がけるようになった」と振り返る。
第2子を授かれば、再び夫婦で育休を取るつもりだ。

●人手不足

高橋さんのケースは少数派だ。
各教委などによると、育休を21年度に取得した男性教員は岡山県が対象285人のうち18人で6.3%。
広島県(9.5%)や全国平均(9.3%)を下回ったほか、岡山県内の民間企業平均(13.4%)や警察官を含む同県内職員(県教委除く、48.7%)とは大きな隔たりがあった。

育休取得率が低い要因について岡山県教委は、代替要員となる講師登録者の慢性的な不足を挙げる。
実際、高橋さんも代わりの講師が決まったのは育休開始の1ヵ月前だった。

職場の雰囲気や理解不足が大きいとの声もある。
岡山市立小の男性教員(36)は、育休取得の意向を上司に伝えた同僚が「自分で代わりの講師を連れてこられるのか」と突っぱねられるのを見聞きし、第1子のときは諦めた。
「人手不足で長時間勤務が常態化した『ブラック職場』だから到底取れない」と男性は言う。
第2子ができても申請するかは決めかねている。


●志望者減も

男性教員の取得率はもともと低く、18年度は岡山県が3.6%、広島県が1.5%、全国平均も2.8%にとどまった。
民間企業を含む学校以外も似た状況だったが、育児・介護休業法改正(21年度)を境に女性のキャリア継続や少子化対策のため、多くの職場が男性育休を推奨。
岡山県職員の場合、4.1%から急上昇した。
「管理職が一人一人に打診するなどした結果」(県人事課)といい、同県の学校現場とは伸び率に著しい開きが出た。

岡山大の高瀬淳教授(教育行政学)は「男性育休は当然との職場環境を整えなければ、教員のQOL(生活の質)や意欲が低下して教育の質に影響するだけでなく、教員志望者を減らす結果を招く」と指摘する。

岡山県教委は「男性が育休を取りにくい状況は事実であり、代替要員の確保に努めるとともに、管理職や職場の意識改革を進めたい」(教職員課)とする。

●育児休業制度

働く男女が子の養育のために仕事を休む制度。
期間は原則1歳までだが、保育所に空きがない場合などは2歳まで延ばせる。
育児・介護休業法で事業主は、従業員に取得を働きかけるよう義務付けられている。
2021年度の民間企業の取得率は女性85.1%、男性14.0%。
政府は「異次元の少子化対策」で男性育休の促進を掲げ、25年に50%まで引き上げる方針。




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