(読売新聞 2018年9月13日の記事より引用)
東邦大学大森病院(東京都大田区)の泌尿器科医、青木九里さんは「排尿や排便後、拭き方や洗浄便座の使い方が原因で、ぼうこう炎や外陰炎になる人もいる」と話す。
女性は尿道口と膣口、肛門が近く、大腸菌が尿道や膣に入りやすい。
これを防ぐには、排尿後は前後に手を動かさず、トイレットペーパーで数秒押さえて水分を取るのが正しい方法だ。
また、排便後は前から後ろへ拭くとよい。
一方で、「過度の清潔意識もトラブルの元」と青木さん。
洗浄便座で尿道口まで洗う人もいるが、大腸菌が膣や尿道に入り、疾患の原因になりかねない。
ビデの使い過ぎも、常在菌を洗い流す恐れがあるという。
●ぬるま湯でOK(洗浄剤使うなら弱酸性)
デリケートゾーンを洗う際にも注意を払いたい。
よしの女性診療所(東京都中野区)の産婦人科医、吉野一枝さんによると、成人女性の外陰部や膣内は酸性の状態。
常在菌が正常に働き、有害な細菌の繁殖を防ぐ。
一方、市販の体用洗浄剤の多くはアルカリ性で、常在菌の働きを阻害する。
「ぬるま湯で洗うだけで清潔さは保てる。洗浄剤などを使うなら、弱酸性や低刺激のものを」と助言する。
専門商品もある。
コーセーの敏感肌用洗浄料「カルテクリニティ デリケートケアウォッシュ」は刺激の少ないタイプで、デリケートゾーンも洗える。
ユニ・チャームの「ソフィ デリケートウェットシート」はおりものが気になる際などにウェットティッシュのようにして使える。
きちんと手入れしたつもりでも、乾燥やかゆみの症状が出たり、おりものが増えたりすることがある。
その場合はためらわず、専門医を受診しよう。
「ケア意識だけにとらわれず、体の状態の変化に気を配って」と吉野さんは話す。
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