(山陽新聞2020年11月20日の記事より引用)
厚生労働省は19日、不妊治療の支援拡充の一環として、がんを患う子どもや若者が治療後に子どもを持てるよう、卵子や精子を凍結保存する費用の補助の検討に入った。
50万円以上かかる場合もあり、収入に左右されない配慮をする。
有職者の意見を踏まえ、2021年度の実施を目指す。
がん治療を受けると、抗がん剤や放射線が原因で生殖機能が下がり、妊娠が難しくなる場合がある。
凍結保存に対しては公的医療保険が適用されず、現在は全額自己負担となっている。
不妊治療を受ける人への費用助成制度に関し、支援拡充を前倒しして実施する。方向でも検討に入った。
当初は来年度の想定だったが、本年度中に実施する。
主な項目として所得制限の撤廃や金額の大幅引き上げが挙がっている。
第3次補正予算への反映を目指す。
がん治療を巡っては、どの程度の確立で妊娠できるかといった詳細なデータがなく、当事者に国の研究へ参加してもらう代わりに助成する案が有力だ。
凍結保存の対象は受精卵、未受精卵、卵巣組織、精子が候補に挙がる。
厚労省はがん以外にも、治療が生殖機能に影響する恐れがある疾患を対象としたい考え。
●生殖補助医療特例法案を可決
参院委、親子関係明確化
参院法務委員会は19日、第三者から卵子や精子の提供を受けた生殖補助医療で生まれた子どもの親子関係を明確にする民法の特例法案を賛成多数で可決した。
20日に参院本会議で可決され、衆院に送付される見通し。
「生まれる子の福祉と権利が何よりも尊重されなければならない」などとする付帯会議も採択した。
法案は自民、立憲民主、公明など6党の共同提出。
女性が自分以外の卵子を使って出産した場合、卵子の提供者ではなく、出産した女性を母とする。
妻が夫の同意を得て、夫以外から精子の提供を受けて妊娠した場合、夫は自分の子であることを否認できない。
子が「出自を知る権利」の規定た、卵子や精子の売買やあっせんに関する規制は、2年後をめどに法的な措置を検討するとして先送りした。
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