(読売新聞2021年10月12日の記事より引用)
「まさか子宮の形に問題があったなんて…」
千葉県のネイリストの女性(36)は20歳代で結婚し、4回流産した後で、子宮の形態異常が見つかった。
流産を繰り返す「不育症」の原因がわからないまま、30歳代になった。
妊娠しにくくなったと感じて通うようになった不妊治療のクリニックで、いつもと違う医師の診察を受けた時に、「子宮の形態異常の可能性がある」と指摘された。
専門的な医療機関として、日本医大病院(東京)を紹介された。
子宮の形態異常は、超音波検査や磁気共鳴画像(MRI)などで診断する。
形態異常にはいくつかの種類があるが、その中では最も流産する確率が高い「中隔子宮」と診断された。
子宮内は通常、部屋が一つになっているが、左右に隔てる出っぱりがあった。
流産に至るメカニズムについては研究が続いているが、子宮内の空間が狭いことや出っぱり部分の血流が乏しいことなどがリスクを高めると考えられている。
日本医大病院で女性を診察した小野修一さん(現・Shinjuku ART Clinic 診療部長)は「子宮の形態異常は、まれな疾患なので気づきにくい。治療が不要な形態異常もあるので、医師には、中隔子宮かどうかを正確に見分ける診断力が求められる」と解説する。
近年の治療は、子宮口から内視鏡を挿入し、電気メスで子宮内の出っぱりを削る「子宮鏡手術」が主流だ。
女性は2019年1月、この手術を受けた。
これで安心と思ったが、また流産した。
ただ、この時は検査で胎児の染色体異常が見つかった。
これ自体は偶発的に起こりうるもので、親に問題があるとは限らない。
すぐに気持ちを切り替え、次の妊娠で、昨年12月、女の子を出産した。
「産声が聞こえたとき、ほっとした。流産は1回でもショックが大きいので、もっと早く手術していればよかった」
ただ、今年発表された4カ国の多施設共同研究では、この手術をしたグループと、しないグループで、出産率や流産率に差はなく、有効性は示されなかった。
だが、国内の不育症に取り組む医師のグループは、この発表を踏まえても、子宮鏡手術を「治療の選択肢として(患者に)提示する」との指針をまとめている。
日本医大病院では、2006年~2020年に110人がこの手術を受け、追跡調査できた90人のうち、72人が出産し、3人が妊娠中だという。
小野さんは「中隔子宮を正確に診断し、適切な手術を行えば、出産率を向上させ、流産を減らすことができる」と話す。
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