(読売新聞2021年10月13日の記事より引用)
結婚から12年、15回の流産を乗り越えて、中国地方の女性(42)は今夏、女の子を出産した。
「いつも先生が私の話に耳を傾けてくれたから、出口の見えないトンネルを抜けることができた」と振り返る。
女性は、5回の流産の後、岡山大病院の不育症専門外来を受診した。
そこでは、「また流産するのではないか」という不安を軽減させるためのケアに力を入れていた。
少しでも安心してもらえるように、医師、看護師、助産師らが、
①検査や治療の内容や意味をわかりやすく説明する
②妊娠中は、おなかの赤ちゃんの超音波画像を見せて詳しく状態を伝える
ーなどを心がける。
「テンダー・ラビング・ケア」と呼ばれる取り組みで、「優しさに包まれるような精神的ケア」と説明される。
教授の中塚幹也さんは「マニュアル的に行うのではなく、診察の中で、それぞれの患者の気持ちや疑問に寄り添うことが重要です」と解説する。
女性にとっては、診察室が、夫以外の人に流産の話ができる場になった。
「体を心配して『治療をやめなさい』と言いそうな親には相談できなかったし、友人にも打ち明けられなかった」
検査をしても不育症の原因がわからなかった女性は、妊娠中の検査結果のデータのほか、自分なりの原因分析をノートに書き留め、診察の度に質問した。
「冷えが流産の原因では?」
「仕事は辞めた方がよいか」。
熱心な問いかけに、中塚さんは「冷えない方がよいけど、それで流産したわけではないですよ」
「ストレスがないなら仕事は続けた方がいいですね」
と一つ一つ丁寧に答えた。
女性は「思い込みで質問したこともあったけど、先生は毎回しっかり聞いてくれた」と感謝する。
流産が続き、「自分も死にたい」という思いがよぎったこともあるが、「先生が次の対処法を示してくれたことが希望になり、心を落ち着けることができた」。
30歳代半ばになると焦りから夫に当たり散らしてしまうこともあったが、
「夫は、いつも一緒に通院し診察を受けてくれた」。
中塚さんは「子どもを亡くした当事者は、流産した女性だけではない。夫や親もケアの対象」と言う。
研究中の薬も試し、7月に出産できた。
妊娠初期は4週間に1回の健診が標準だが、ここでは、流産しやすい12週目まで毎週、超音波検査で成長を確認しており、それも安心につながった。
「赤ちゃんってこんなにかわいいんだ。宝物」と笑みがこぼれる。
中塚さんは「不育症の患者は、前回流産した週数が近づくと不安が強くなるので、心理的サポートが大事になります」と語る。
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