風疹で障害 体験を発信            2019年 1月26日



(読売新聞 2018年12月18日の記事より引用)

この夏、流行が始まった風疹は、感染の拡大が続く。
5年前の大流行を思い起こさせる勢いだ。

「流行は今回で最後にしたい」。
横浜市の会社員、風見サクラコさん(ペンネーム)(29)はそう決意し、風疹撲滅をめざしてネット上で情報発信している。

生後すぐ、白内障や難聴がわかり、先天性風疹症候群(CRS)と診断された。
胎児のときに母が風疹にかかったのが原因だ。
0歳で目の水晶体を摘出し、補聴器をつけた。

大勢での会話や騒がしい場所での言葉を聞き落す。
人や物の動きを追いづらい。
ミスや誤解が多く友人関係で苦労した。
疎外感から不登校になった時期もある。

「なんで私はこうなったの?」。
幼い頃、母は風疹が原因と教えてくれたが、多くは語らなかった。
詳しく知ったのは大学院生だった2013年、母の育児記録を読んだときだ。

「心の休まる日はありませんでした」
「日々の成長が楽しみでもあり苦しみでもあり」
「能力を限りなく引き出せるよう親子で頑張っていきましょう」


ようやく気付いた。
「母もつらかったんだ」。
風疹の大流行が社会問題になっていたこの年、これまでの母子の歩みをつづり、自身のホームページで公開。
SNSにも情報を書き込んだ。
風疹の怖さ、ワクチン接種による予防の大切さー。

この大流行でCRSの赤ちゃんが45人生まれ、11人が亡くなった。
そして今年、また悲劇が繰り返されるかもしれない。
途絶えていた発信を再開した。

風疹患者の8割は男性で、主に30~50歳代。
かつて風疹の定期接種は、妊娠の可能性がある女の子だけが対象で、この世代の男性には免疫がない人が多く、流行拡大の原因になりやすい。
接種を受けた女性にも効果が不十分なケースがあり、流行をなくさなければ十分な対策にならない。

職場でも働きかけることにした。
「インフルエンザ予防接種のついでに風疹ワクチンも接種を」。
社会人になったいま、働き盛りの世代が仕事を休みにくい現実を知っている。
平日夜に接種できる医療機関の紹介もした。
今月になって厚生労働省は、39~56歳の男性を来年から3年間、定期接種の対象にすると決めた。

母はまだ、当時のことを話そうとしない。
風疹の話題になると時折、「ごめんね」とつぶやく。
そのたびに、「自分たちのようにつらい思いをする母子をなくしたい」と決意を新たにする。

病や障害、家庭の問題から子どもを守り支えるために、大切なことは何だろう。
困難を経て大人になった人の経験から考える。




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