切れ目なく子育て支援             2023年 1月27日


(山陽新聞 2023年1月21日の記事より引用)

●倉敷の言語聴覚士と作業療法士

つまずきを感じる子どもや子育てに悩む親の力になろうと、言語聴覚士や作業療法士の資格を持つ倉敷市の2人が一般社団法人を立ち上げ、活動を進めている。
専門的な知識と経験を生かし、個別の療育サービスや学習塾などの事業を展開。0歳児から中学生まで受け入れ、切れ目のない支援を目指す。

●一般社団法人立ち上げ 個別療育や学習塾

昨年4月に設立した一般社団法人「Lyckatill(リュッカテイル)」(倉敷市中庄)。
岡山市の病院などで約10年のキャリアを持つ言語聴覚士の亀山誠子さん(39)が代表理事、作業療法士の片岡紗弓さん(31)が理事を務める。
ボランティアを含め5人のスタッフで、運動や手先を使う作業、発声などを行う個別療育と学習塾、フリースペースを運営。
保護者の相談にも応じる。


3児の母でもある亀山さんが子育てをする中で、自身の体験や保護者との交流を通じ誰にも相談できない「孤立感」を深めたのが取り組みのきっかけになった。
新型コロナウイルス禍で子どもを取り巻く環境が厳しくなる現状もあり「きめ細やかに対応できる場を作ろう」と、同じ考えを持つ同僚の片岡さんと創業を検討。
地元金融機関のサポートも得て組織化を果たした。

療育や学びの提供に際しては「子どもの目線」を重視する。
例えば、言葉が発しにくい症状があれば、興味を持つことを探し、人に伝える楽しさを感じられる環境をつくる。
人に強くぶつかる傾向がある場合は、体の感覚が鈍いと想定し、運動のカリキュラムを組み立てる。
行動の理由や原因を知った上で、声かけや対処を行う。

情報過多の時代で、我が子が他人と異なることに不安を抱く保護者も増えているという。
片岡さんは「子育てや成長の形は一つではない。自分らしさを大切にする雰囲気を作っていきたい」と言う。

子育て全般や吃音などをテーマにしたセミナー・交流会も企画。
創業から5年未満の新規事業者が集まる展示会にも出展し、活動を紹介した。
4月には倉敷市帯高に移転し、小児科と連携した取り組みも始める計画。
亀山さんは「一人一人に合ったきめ細かい対応を図り、子どもの”良いところ探し”のお手伝いができれば」と願う。




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