(山陽新聞 2022年1月24日の記事より引用)
●政府 親の負担減、孤立防止
政府は、社会福祉法人やNPO法人などに業務委託し、子育て家庭を訪れて料理や掃除といった家事を支援する制度を新設する方針を固めた。
子どもの親が自身の親の助けを得られないなど育児負担が重い場合、手を差し伸べたり孤立化を防いだりするのが狙い。
今国会に提出予定の児童福祉法改正案に明記する方向だ。
2024年度からの実施を目指す。
関係者が23日、明らかにした。
近所に頼れる人がいないケースを含めて親の育児負担増は懸念され、ストレスは虐待を招く恐れがある。
現在、母親が若かったり産後うつ状態にあったりする家庭を、保健師や助産師らが訪問する「養育支援訪問事業」が各自治体で行われているが、中心は家事支援でなく助言や指導だ。
制度新設の動きの背景には、新型コロナウイルス禍による親の孤立化などで育児負担が改めて注目されたこともある。
関係者によると、新たな家事支援制度は、市区町村が実施主体となり、NPO法人や社会福祉法人、企業などに業務委託。
スタッフが家庭を訪問する。
現在も一部自治体が実施しているといい、政府は法律に明記することで全国的に広げたい考え。
委託費用の財源は国の交付金を想定する。
支援制度の対象家庭は主に、ひとり親や低所得など困難を抱える場合となる見通し。
共働き家庭などまで広げる案があり、利用料を取るかどうかなどを含め、制度の詳細は今後検討する。
改正案には、現在は自治体ごとの判断で行っている、妊娠期から相談に応じる地域の子育て支援拠点について、全国的整備を盛り込む方針。
一つの家族が貧困や介護、障害など複数課題を抱える事例に対応できるよう、行政側で家族ごとの「サポートプラン」を作成するなど、将来的に包括的支援の確立を目指す。
行政支援を受けるのをためらう家庭に対し、利用を強く促す権限を市区町村に付与することを、改正案に明記する方針だ。
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