ママ孤立に「産後ケア」・№1        2018年 4月 7日



(読売新聞 2017年8月29日の記事より引用)

出産後の女性を心身両面でサポートする「産後ケア」が広がっている。
出産時の入院とは別に、病院や助産院に宿泊するなどして休養したり育児の相談ができたりする。
出産直後の母親の孤立を防ぐ狙いだ。
産後うつにならないよう、中長期のケアに取り組む例もある。

「お母さんに抱っこされて安心して寝ちゃったのね」。
東京都荒川区の東京リバーサイド病院で8月中旬、生後10日の長男を抱いた女性(39)に、助産師の永沢紀子さんがそっと声をかけた。
女性は区外の病院で出産し、退院2日後から4泊5日で産後ケア入院をした。
出産で貧血になり、「こんな体力が落ちるとは想定外。
産前に申し込んでおいて本当によかった」と胸をなで下ろす。



同院は、荒川区が今年度、宿泊型の産後ケア事業を始めたのに伴い、産婦を受け入れている。
1泊2日(1万2000円)から利用できる。
既に7人が利用した。
永沢さんは「授乳や予防接種、自身の体調など母親の不安や聞きたいことは様々。いつでも助けるよというメッセージを伝えています」と話す。

産後ケアには、病院や助産院への宿泊や日帰りのデイサービス、ケア担当者の自宅訪問などの形態がある。
厚生労働省は2015年度から本格実施し、公費助成を行っている。
16年度は179自治体で実施された。
産後ケアが求められる理由の一つが、母親の孤立を防ぐことだ。
医療関係者らによると、出産時の入院期間が短くなり、授乳方法など育児の不安を抱えたまま退院する例が目立つ。
里帰り出産も減少傾向で、退院後、日中は母子だけという状況も散見される。
三菱UFJリサーチ&コンサルティングの02年度と14年度の調査を比較すると、地域の中で「子育ての悩みを相談できる人がいる」と答えた母親は74%から44%に減少。
「子どもを預けられる人がいる」も57%から28%まで減った。

続きは№2でご紹介します。




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