無月経

無月経とは

性成熟期を迎えた女性で、月経の来ない状態を無月経といいます。
無月経には、18才を過ぎても初潮が起きず、今まで一度も月経の無い「原発性無月経」と、何らかの原因でそれまであった月経が3か月以上停止した「続発性無月経」とがあります。
急激に生活習慣が変わったり、強いストレスや過度なダイエットなどで一時的に無月経が起こることもあります。
月経が不順になると、ホルモン剤を使って月経を促す治療をしていきますが、服用を止めると無月経に戻ってしまうことも多く、またホルモン剤の副作用も心配されます。

月経は女性の健康のバロメーターといえますので、月経の不調は身体の不調を教えてくれていると考え、根本的に治療していく必要があります。



薬剤師青木からのメッセージ

漢方的には、脾腎陽虚または脾腎陰陽両虚の体質が一番多いタイプです。
そこにお血がかかわってくると原発性になる事があります。
続発性の無月経は、例えば夏の間は月経が飛んでしまうという方とはよくお会いしますし、簡単な血虚ならそれほど心配はいりません。
大変なのは原発性といわれる一度も自然に生理が来たことがない事です。
この場合まず病院のホルモン療法で毎月の月経をこさせながら、根本の体質改善をしていく漢方の併用をおすすめします。


■■■漢方参考■■■

●瘀血(おけつ)
 様々な原因で、血液の流れが悪くなった状態。
 一般に抹消で血流の停滞が起こっています。

●陰虚(いんきょ)
 体の潤い、体液・リンパ液(漢方では津液という)などが少なくなった状態
 一般に年齢と共に乾燥してくるのもこのためです。

●気滞血瘀(きたいけつお)
 気の流れが悪くなり、それに伴って血流も悪くなったこと。
 ストレス・緊張・けが・手術・自律神経の問題などで気の流れが悪くなり二次的に 生じたお血。
 「気は血の師」といい、気の流れが悪くなると血の流れも悪くなります。

●寒凝血瘀(かんぎょうけつお)
 体の中に冷えが凝り固まって(凝集して)血流まで悪くなった状態。
 刺すような痛みを起こします。
 古典に「陰虚積冷結気」とあり、もともと陰虚の体質の人に冷えが積もりに積もっ て気の詰まりが起こった、と条文にも出てきます。

●熱鬱血瘀(ねつうつけつお)
 気の流れが詰まりに詰まると熱を帯びてきます。
 イライラを我慢しているといつか噴火するようなものです。
 この熱によってお血を発症したもので、血も熱化してきます。
 頭痛や口の中の苦みが出てきやすくなります。

●湿熱血瘀(しつねつけつお)
 湿邪と熱邪がくっついて湿熱体質を作り、お血を発症した状態。
 血の流れを回復するために、湿と熱を分ける(湿熱分消しつねつぶんしょう)して 流れを戻していきます。

●痰瘀結互(たんおけつご)
 血分といわれる主に血管に、痰といわれる濁った体液の邪が入り込みベタベタとくっついて血流
 を悪くしたもの。
 重い慢性病のほとんどがこれです。

●気虚血瘀(ききょけつお)
 体を動かすおおもとの気が疲れなどにより弱り、それに伴って血流が悪くなったも の。
 食欲が落ちたり、息切れが出たりします。

●陽虚血瘀(ようきょけつお)
 気がバテただけでなく身体を温める力まで弱って陽虚(ようきょ)になり、血の流 れも弱った状態。
 手足の冷え・温かい飲食を好む・寒がりなどの体質になります。

●腎虚血瘀(じんきょけつお)
 腎気不足から腎精が傷み、血流に影響が出たもの。
 腰がダルイ・めまい・のぼせ・耳鳴り・休憩をしたがるなどの症状が出ます。

●血虚
 血を作る食べ物の不足・無理なダイエット・寝不足が続く・過労・・・血液が薄く なると血液が足りない状態とみなされ、体の防御反応で月経が無くなる(無月経) になる事があります。 
 伴う症状としては、立ちくらみ・目を使い続ける仕事がきつい・動悸・眠りが浅い ・手足が冷えやすい・顔がほてる・大便が硬いor軟便・頭がボーっとする・・・な どの症状がその人その人の
 弱い所に出てきます。
 
 漢方薬は当帰芍薬散・四物湯・十全大補湯・婦宝当帰膏などの補血薬を考えていき ます。
 同時に、脾気の働きを上げ、血の蓄えを増す芍薬・山茱萸などを強化していきます 。

●脾虚
 もともと消化器系の弱い方は脾虚になりやすい体質があります。
 それ以外にもストレス・過労・寝不足・・・などで二次的に脾虚が作り出されます 。
 季節では、だれでも真夏の暑い時には食欲が落ちるように、一時的に脾虚に傾くも のです。
 このようないろいろな理由により脾虚の体質が出来、肝血の蓄えが落ちると無月経 になる事があります。
 
 漢方薬は、人参湯・六君子湯・帰脾湯など補気薬を中心に処方していきます。
 同時に薬味といわれる食べ物もしっかり摂るようにしましょう。



漢方薬はこれらの傾いた体質を元のいい状態に引き上げていきます。。
同時に、不妊の原因となる「虚・邪」を除き若々しい体質に戻していきます。
その結果、任脈・血海・胞宮・衝脈の流れがよくなり、妊娠の可能性が飛躍的に向上します。

また、妊娠がわかったら、流産防止のスペシャル漢方をみなさん飲まれていい結果が出ています。
妊娠中に飲む漢方もあるのです。
生まれてくる赤ちゃんにアレルギーを遺伝させないための専用の漢方(うちの妻も飲みました)もあります。
出産が楽になる、スルッと生まれてくる漢方もあります。
産後二人目を望まれる方の為に、肥立ちを良くする漢方もあります。

ぜひ、あなたの体質に合わせた専用の漢方薬で若々しい元気な体を取り戻してください。