無痛分娩・№2                2018年 4月29日



(読売新聞 2017年8月25日の記事より引用)

●「安全確かめる情報を」

神戸市西区にあるA子さんの実家は、新盆の供花であふれていた。
「妹は何でも、調べに調べて納得するするタイプだった。無痛分娩も、自分から望んでいたなら、時間をかけて情報を集めたでしょう」遺影を前に姉(37)は、母(60)とともに涙を浮かべた。

A子さんは2015年9月無痛分娩の麻酔後に母子ともに重い障害を負い、意識が戻らぬまま今年5月、35歳で亡くなった。
無痛分娩は出産直前、小柄で難産が予想されるとして、医師に勧められた。
出産のため東京の自宅から里帰りしたA子さんは、実家にほど近い「おかざきマタニティクリニック」を受診していた。
「先生が勧めるぐらいだから大丈夫よね」自分に言い聞かせるように話していたA子さん。
母は、「今思えば、無痛分娩が不安だったのでしょう」と振り返る。
A子さんは麻酔後、体調が急変した。
当時、医師は院長1人。
A子さんに麻酔薬を注入した直後に外来診療のため診察室に戻り、対応が遅れた。


看護師は、下半身に力が入らなくなったA子さんの移動のため、付き添いで来院していた夫(32)を呼んだ。
「人員体制が手薄だったから家族を呼んだのか。異変に早く気づいて対応できるスタッフの教育も不十分だったのではないか」。
姉は疑念がぬぐえない。
事故後、姉はクリニックから、診療記録を受け取った。
無痛分娩の同意書は、A4判1枚。
良い点や方法などに続き、最後に合併症の記載があったが、低血圧や頭痛など症状の羅列のみ。
どのぐらい起こるのか、発症したときの対応は、搬送体制は―
いずれも記載はない。
計8回の健診記録も、血圧や体重、胎児の推定体重など数値程度の記載のみで、ほぼ空白どんな説明を受けたのか、ほかの記録からも、よくわからないままだった。

院長は今月8日、「全力を尽くした結果だが、心から申し訳なく、悔しく、残念に思っている」とコメントを発表した。
相次ぐ事故をきっかけに、厚生労働省は専門医らでつくる研究班を設け、安全対策を検討して年度内にもとりまとめる。
2児の出産経験のある姉は、「一般の妊婦が産院の安全を見極める確かな情報を得るのは難しい」という実感を持っている。
だからこそ、研究班には、こう注文したいという。
「医療機関に対して、妊婦に説明すべき内容を示してほしい。そして、安全を確かめるために妊婦は何をどう確認すればよいのか、情報提供してほしい」



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