妊婦が飲んではいけない薬は?         2021年 5月 6日


(読売新聞2021年4月18日の記事より引用)

●自己判断避け医師に相談

Q 妊娠に気づかずに、風邪薬を飲んじゃった!

A 落ち着いてください。
妊娠中に服用しても、胎児に悪影響がある薬はごく一部です。
どんな薬を飲んだのですか?

Q 医師から処方された解熱剤と抗生物質です。

A 解熱鎮痛剤のアセトアミノフェンなら、影響がないと考えられています。
妊娠中期以降は、ロキソニンなどの非ステロイド性抗炎症薬は、胎児の動脈管収縮などの報告があり、使用が制限されています。
抗生物質は、ニューキノロン系以外は安全と言われています。

Q よかった。
でも薬は出産するまでできるだけ飲まない方がいいのでしょ?

A 医師に相談し、リスクとベネフィット(利益)を比較して、慎重に判断する必要があります。
風邪をこじらせて、急性副鼻腔炎などになったら、医師が処方する抗生物質を飲んだ方がいいでしょう。
妊婦の体調がよくなると胎児も快適になります。
ただ市販薬は、避けてください。
同じ名前でも含有成分が異なる場合があります。


Q 風邪予防の注意点は?

A ヨードを含んだうがい薬や噴霧薬で予防するのは、胎児の甲状腺機能に異常をきたす可能性があるのでやめましょう。

Q 持病がある人は?

A てんかんの持病がある人は、妊娠前に主治医に相談し、胎児へのリスクが少ない薬にしましょう。
抗不安薬を服用している人は、出産前に産科医に伝えてください。
新生児に震えなどの離脱症状が出る場合があるので、注意深く観察してもらいましょう。
どんな持病の薬でも、自己判断で服用をやめないでくださいね。

Q わかりました。

A 新生児の先天的な病気の発生率は2~3%です。
このうち薬が原因の病気はごくわずかなので、薬の影響を心配し過ぎないでください。
インターネットの情報に振り回されず、主治医や産科医に相談しましょう。
「国立成育医療研究センター 妊娠と薬情報センター」(東京都世田谷区)でも相談に応じるほか、地域の拠点病院への紹介もしています。

(大沢奈穂/取材協力=村島温子・国立成育医療研究センター 妊娠と薬情報センター長、浜田洋実・筑波大教授)





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