(読売新聞 2022年3月23日の記事より引用)
「やせ形ですね。出産までに12~15キロの体重増加を目指しましょう」。
第2子の妊娠がわかった昨秋、横浜市の看護師、松下麻衣子さん(31)は産婦人科医院でこう告げられ、驚いた。
体格の指標となるBMIは、体重(キロ)を身長(メートル)の2乗で割った値で、18・5未満は「やせ」とされる。
松下さんは17・9だったが、やせている自覚はなかった。
主治医のよしかた産婦人科院長、善方裕美さんに「やせの女性は、低出生体重児を産むリスクが高いんですよ」と教えられた。
低出生体重児は、2500グラム未満で生まれた赤ちゃんのことで、成人後に糖尿病や高血圧などのリスクが高まるとされる。
10代からダイエットに励んできた松下さん。
2014年に第1子を妊娠した時は、太ることに抵抗があった。
当時通っていた産婦人科では体重や栄養に関する指導はなく、自分で「体重増は5キロまで」と目標を設定。
朝食を抜いて妊婦健診に向かったこともあった。
結局8キロ増で産んだが、「太りすぎた」と思い込んでいた。
長女の出生体重は2550グラム。
「以前は自分の体格が赤ちゃんに影響するとは知らなかった。低体重ではなかったけれど、今思えばギリギリでした」
国は昨春、妊産婦のための食生活指針を15年ぶりに改定し、妊娠中の適切な体重増加量の目安を約3キロ引き上げた。
やせの女性が増え、低出生体重児の割合が高まっていることが大きな理由だ。
1975年には約5%だったが、この10年間は約10%で推移しており、2018年のデータでは、経済協力開発機構(OECD)加盟国中で、ギリシャに次いで2番目に高かった。
指針改定に携わった順天堂大教授(産婦人科)の板倉敦夫さんは「以前は妊娠高血圧を避けるために妊婦に厳しい体重制限を求める産科医もいたが、BMI30未満なら強い制限は必要ない。むしろ最近はやせ志向の女性が多いので、赤ちゃんの健康のためにも適切に体重を増やしたい」と解説する。
松下さんは、現在通う産院の栄養士から食事の指導を受けた。
以前は1日に茶わん小盛り1杯しか米を食べなかった。
朝食を抜く日も多く、夕食は汁物とおかず1皿が基本だった。
栄養士から、主食を4倍に増やすように指導され、朝には食パン、昼・夜は中盛りのご飯を食べるようにした。
善方さんは「松下さんは食生活をうまく改善できていて、体重増加も順調です。ただ、仮に思うように増えなくても神経質になることはありません。妊婦健診で胎児の発育状態を確認しながら主治医と相談していきましょう」と語る。
(このシリーズは全5回)
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