(読売新聞 2022年3月28日の記事より引用)
長男を出産した直後の受診でこう指摘され、横浜市の林茉美さん(37)は驚いた。
若年成人の平均値の80%しかないという。
70%未満になると骨粗しょう症と診断される。
主治医のよしかた産婦人科院長、善方裕美さんに「授乳中は、いつも以上にカルシウムが失われるので、このままだと骨粗しょう症になる恐れもあります。
カルシウムをしっかりとるよう心がけてください」とアドバイスされた。
妊娠中や授乳中は、母体から赤ちゃんへ、大量のカルシウムが供給される。
善方さんによると、妊娠中は、1日あたり250~300ミリ・グラム、授乳中は280~400ミリ・グラムほど失われる。
国の食事摂取基準では、15~74歳の女性は、1日あたり650ミリ・グラムのカルシウムをとることが推奨されている。
だが、2019年の国民健康・栄養調査では、成人女性の1日の平均摂取量は約490ミリ・グラムで、推奨量に達していない。
産後にホルモンバランスが変化することも骨粗しょう症になりやすくなる要因の一つで、骨折に至るケースもあるという。
横浜市大などが16年に行った調査では、産後の骨粗しょう症に伴う背骨の骨折が、同市内で1年以内に少なくとも8件起きていた。
「自分の体からこれほど多くのカルシウムを赤ちゃんに与えているなんて知らなかった。骨折して授乳できなくならないようにしなければ」。
林さんは毎日、カルシウムを多く含む小魚や乳製品を食事に取り入れるようにした。
苦手だった牛乳もココアに混ぜて飲むなど工夫している。
妊娠中はつわりで食事が進まないこともあったが、今は「しっかりと自分の体を整えたい」と考えている。
通常の妊婦健診では、体重や血圧、貧血かどうかなどはチェックされるが、骨密度は測らない。
善方さんは「産後、気づかずに骨粗しょう症になっているケースもあると思われます。特にやせ形の女性はリスクが高いので、心配なら整形外科や産婦人科で検査を受けてください」と話す。
予防のためには、妊娠前にできるだけ骨量を増やしておくことも重要だ。
女性の骨密度は20歳頃にピークを迎えるため、10歳代のうちから適度に運動し、十分な栄養をとるよう心がけ、「骨貯金」をしておきたい。
■カルシウムを多く含む食品
・牛乳 コップ1杯(約200ミリ・リットル)=220ミリ・グラム
・ヨーグルト 1パック(100グラム)=120ミリ・グラム
・プロセスチーズ 1切れ(20グラム)=126ミリ・グラム
・水菜 1/4束(50グラム)=105ミリ・グラム
・ししゃも 3尾(45グラム)=149ミリ・グラム
・厚揚げ 1/2枚(100グラム)=240ミリ・グラム
※農林水産省の資料を基に作成
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