妊娠と仕事・№5               2018年 6月14日



(読売新聞 2017年10月13日の記事より引用)

●子を「持つ/持たぬ」自由

IT企業「ナーブ」(東京)で広報などを担当する田水淑乃さん(51)は多趣味だ。
東京マラソンに参加」したり起伏のある山道を走る「トレイルランニング」に挑戦したり。
フラダンスも踊る。
将来、リラクゼーションサロンを開きたいという夢を持っている。

結婚22年になる夫との間に子どもはいない。
親しい友人たちにも「DINKS(子どものいない共働きの夫婦)」や独身が多かったせいか、子どもをほしいと強く思ったことはなかったという。

パソコンが急速に普及した1990年代、IT業界は好景気で、多忙な営業職などで仕事に打ち込んだ。
その後は転職したり、少しペースダウンしようと派遣や時短での働き方を選んだりもしてきた。

「仕事は面白いし、趣味も楽しい。夫と過ごす時間も大切」と話す。

子どもを持たない選択は決して珍しいことではない。

東京都文京区が2014年に20~45歳の区民男女を対象に実施した意識調査によると、子どもがいない人のうち、子どもを「ぜひ持ちたい」という人が45.2%、「できれば持ちたい」が27.3%を占めた。
一方で、「いてもいなくてもよい」(15.1%)、「持ちなくない」(5.6%)、「考えたことがない」(4.7%)が続いた。
子どもを持つことに対する考え方は人によって様々だ。

ただ、現実には長時間労働や収入が十分でないといった問題などが、子どもを持つことへのハードルとして存在している。
このことが、人生の選択を複雑なものとしている面がある。

「厳しい労働環境の中で、女性ばかりが妊娠・出産・子育てと両立せよと迫られている。これでは、子どもを持ちキャリア築くという将来像を描きづらい」と少子化ジャーナリストの白河桃子さんは指摘する。






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