卵巣のう種とは
卵巣に液上成分が溜まって腫れている状態であり、のう胞性の良性腫瘍です。
卵巣のう腫は、中の液体により次の3種類に分けられます。
①漿液性卵巣のう腫
卵巣のう腫で最も多く、淡黄色透明のさらさらとした水溶液が溜まったもの
②粘液性卵巣のう腫
白~黄色~褐色で、どろっとしたムチンと呼ばれる粘液が溜まったもの
③成熟のう胞性奇形腫
毛髪・脂肪・皮ふ・組織・骨・歯など、人の体を作る源である胚細胞が変化 した ものといわれています。
若年の方に多くみられます。
卵巣はサイレント臓器といわれており、いずれの卵巣のう腫も自覚症状があまり出てこないケースがあり、婦人科疾患の定期検診などで始めて卵巣のう腫が発見されることも多いようです。
生理の異常や下腹部のしこり・腹部のハリや痛みなどに注意が必要です。
薬剤師青木からのメッセージ
漢方ではチョコレートのう胞と同じく「痰お」が一番多い体質病理になります。
体の水分リンパを漢方では「津液」といい、これがベタベタと汚れ、卵巣にへばりついいてその場所での血流も悪くなり、「痰」と血液の「お血」が結互して、「痰お互結」の病理を作り出しているのです。
子宮内膜症と同じくこの「お血」が強くなると、生理痛がひどい・生理の周期が早くなる・不正出血などが表れやすくなり、特にムシムシとした湿気の多いところでは体が疲れやすくなったりします。
さらにのう腫というのはその部分で「腐り」を起こしているわけですから、性器からの臭いが強くなったりします。
またオリモノの色が濃くなったり、やはり臭いがきつくなったりします。
アオキ薬局の相談薬剤師は男なので、なかなかこのあたりの事は聞きにくいのですが、私も50才を過ぎて案外平然と聞けるようになりました。
■■■漢方参考■■■
●瘀血(おけつ)
様々な原因で、血液の流れが悪くなった状態。
一般に抹消で血流の停滞が起こっています。
●陰虚(いんきょ)
体の潤い、体液・リンパ液(漢方では津液という)などが少なくなった状態
一般に年齢と共に乾燥してくるのもこのためです。
●気滞血瘀(きたいけつお)
気の流れが悪くなり、それに伴って血流も悪くなったこと。
ストレス・緊張・けが・手術・自律神経の問題などで気の流れが悪くなり二 次的 に生じたお血。
「気は血の師」といい、気の流れが悪くなると血の流れも悪くなります。
●寒凝血瘀(かんぎょうけつお)
体の中に冷えが凝り固まって(凝集して)血流まで悪くなった状態。
刺すような痛みを起こします。
古典に「陰虚積冷結気」とあり、もともと陰虚の体質の人に冷えが積もりに 積も って気の詰まりが起こった、と条文にも出てきます。
●熱鬱血瘀(ねつうつけつお)
気の流れが詰まりに詰まると熱を帯びてきます。
イライラを我慢しているといつか噴火するようなものです。
この熱によってお血を発症したもので、血も熱化してきます。
頭痛や口の中の苦みが出てきやすくなります。
●湿熱血瘀(しつねつけつお)
湿邪と熱邪がくっついて湿熱体質を作り、お血を発症した状態。
血の流れを回復するために、湿と熱を分ける(湿熱分消しつねつぶんしょう )し て流れを戻していきます。
●痰瘀結互(たんおけつご)
血分といわれる主に血管に、痰といわれる濁った体液の邪が入り込みベタベ タと くっついて血流を悪くしたもの。
重い慢性病のほとんどがこれです。
●気虚血瘀(ききょけつお)
体を動かすおおもとの気が疲れなどにより弱り、それに伴って血流が悪くな った もの。
食欲が落ちたり、息切れが出たりします。
●陽虚血瘀(ようきょけつお)
気がバテただけでなく身体を温める力まで弱って陽虚(ようきょ)になり、 血の 流れも弱った状態。
手足の冷え・温かい飲食を好む・寒がりなどの体質になります。
●腎虚血瘀(じんきょけつお)
腎気不足から腎精が傷み、血流に影響が出たもの。
腰がダルイ・めまい・のぼせ・耳鳴り・休憩をしたがるなどの症状が出ます 。
漢方薬はこれらの傾いた体質を元のいい状態に引き上げていきます。。
同時に、不妊の原因となる「虚・邪」を除き若々しい体質に戻していきます。
その結果、任脈・血海・胞宮・衝脈の流れがよくなり、妊娠の可能性が飛躍的に向上します。
また、妊娠がわかったら、流産防止のスペシャル漢方をみなさん飲まれていい結果が出ています。
妊娠中に飲む漢方もあるのです。
生まれてくる赤ちゃんにアレルギーを遺伝させないための専用の漢方もあります。
産後二人目を望まれる方の為に、肥立ちを良くする漢方もあります。
ぜひ、あなたの体質に合わせた専用の漢方薬で若々しい元気な体を取り戻してください。