産後の健康管理・№3             2018年 4月22日



●授乳期に腰痛…圧迫骨折
(読売新聞 2017年1月23日の記事より引用)

産後1か月、冷たい雨の中、長男のお宮参りを終えた翌日からだった。
2011年7月、神奈川県横須賀市の言語聴覚士堀海香さん(41)は風邪をひき、咳が出始め、背中や腰の痛みに苦しむようになった。
咳がおさまっても、痛みは悪化。
息を吸うだけでも痛みが走り、壁づたいでないと歩けなくなった。
同年9月、近くの整形外科でエックス線検査をすると、背景が2か所つぶれていた。
ちょっとした刺激で起こる圧迫骨折で、高齢の骨粗しょう症患者に多い。
10歳代からバレエで体を鍛えていた堀海さん。
初めての骨折は、にわかに信じがたかった。


詳しい検査のため受診した横浜市立大学病院で、妊娠後期から授乳期に突然の骨折を起こすタイプの骨粗しょう症とわかった。
骨密度は70歳~80歳代並みの低さだった。
産後のホルモンバランスの変化で、古い骨を溶かす「破骨細胞」の働きが強まるのが一因で、授乳をやめれば骨密度は自然に回復する。
だが、二つ以上の骨が同時に折れる「多発骨折」など重い状態なら、薬やコルセットの装置、重い物を持たせないなど一般的な治療に加え、断乳が欠かせない。
堀海さんは「子育ては長い。母乳にこだわっている場合ではない」と覚悟を決め、飲み薬で母乳を止めた。
その後、約1年間、長男と2人で実家に身を寄せた。
骨折の危険があるため、家事はおろか、抱っこもオムツ替えも一緒にお風呂に入ることもできない。
公園で親子が遊ぶ姿を見ては「母親の役割が果たせていない」と落ち込んだ。
自宅に戻ってからは、日中は長男を保育園に預け、少しずつ日常を取り戻した。
今は骨密度も回復し、薬も不要になった。


よしかた産婦人科(横浜市)副院長の善方裕美さんによると、妊娠前にやせているとなりやすいとの報告もあるが、どんな女性が注意すべきかはまだ不明だ。
やっかいなのは、産後の腰痛は多くの女性が経験するため、骨折と思わずに痛みを我慢するケースが後を絶たないことだ。
受診した時には、すでに多発骨折が起きていることが多い。
善方さんたちが昨年、横浜市内で行った実態調査から、産後女性約3000人に1人の割合で、授乳中の骨粗しょう症に伴う骨折が起きていると推計された。
整形外科でも、骨折していても骨密度を測らなかったり、断乳を指示しなかったりするケースも少なからずある。
善方さんは「産後、どんどん悪化する腰痛があれば迷わず、整形外科や産婦人科を受診してほしい。医師がこの病気を知らないころもあるので、授乳中であることを必ず伝えてください」と話している。



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