子宮腺筋症

子宮腺筋症とは

子宮腺筋症は、子宮筋層内に何らかの原因で子宮内膜組織が入り込み、子宮内膜症と同様に月経のたびに子宮内膜組織が増殖・剥離をくり返し、様々な症状を呈する病気です。

年齢的には30代後半~40代の女性に多くみられますが、最近は20代であっても子宮腺筋症になる女性が増えてきています。
激しい月経痛や下腹部痛・腰痛を起こすだけでなく、月経過多・月経期間の延長などの症状があり、不妊症の原因にもなります。

子宮腺筋症はじわりじわりと悪化していくのが特徴で、最終的には月経以外にもほとんど毎日耐え難い痛みに悩まされることもあります。

子宮腺筋症も子宮内膜症も、閉経以前の女性ホルモンが分泌されている間は症状が持続したり、悪化することが多いですが、閉経を迎えると症状は軽快します。



薬剤師青木からのメッセージ

子宮腺筋症は30代後半以降が圧倒的な対象になります。
その理由は、漢方的には陰虚(いんきょ)の体質が進むからです。
そのため筋膜内の潤い(陰気)がへってきて、そこにお血や湿滞などが生まれ、病理が発生してくると考えています。
「通ざれば痛む」と古典にあるように、硬くなって流れが悪くなったところでは、ひどい痛みがでます。

いわゆる「年を取った腰痛」と同じです。
潤いが減るため腰が硬くなってきて、その部分の流れが悪くなり、慢性腰痛となるのです。
腰を動かそうとするとギシギシと痛みます。

同じことが体の中の子宮筋層内でも起こるのです。
そして激しい月経痛・下腹部痛が起こるのです。
ゆっくりお風呂につかると痛みが楽になるように、漢方で温め・体の中から潤し流れの回復を考えて処方します。
よくよその漢方治療では、血液の流れの詰まり(お血)のみを考えますが、アオキ薬局では血液とリンパ液・さらに気の流れまで考えます。
ただのお湯のお風呂に入るより、バスクリンを入れたお風呂に入った方がより効くのと一緒です。

子宮腺筋症を発症する漢方的病理は10以上あり、それらが一つだけでなく重なって病理を作っています。




■■■漢方参考■■■

●瘀血(おけつ)
 様々な原因で、血液の流れが悪くなった状態。
 一般に抹消で血流の停滞が起こっています。

●陰虚(いんきょ)
 体の潤い、体液・リンパ液(漢方では津液という)などが少なくなった状態
 一般に年齢と共に乾燥してくるのもこのためです。

●気滞血瘀(きたいけつお)
 気の流れが悪くなり、それに伴って血流も悪くなったこと。
 ストレス・緊張・けが・手術・自律神経の問題などで気の流れが悪くなり二 次的 に生じたお血。
 「気は血の師」といい、気の流れが悪くなると血の流れも悪くなります。

●寒凝血瘀(かんぎょうけつお)
 体の中に冷えが凝り固まって(凝集して)血流まで悪くなった状態。
 刺すような痛みを起こします。
 古典に「陰虚積冷結気」とあり、もともと陰虚の体質の人に冷えが積もりに 積も って気の詰まりが起こった、と条文にも出てきます。

●熱鬱血瘀(ねつうつけつお)
 気の流れが詰まりに詰まると熱を帯びてきます。
 イライラを我慢しているといつか噴火するようなものです。
 この熱によってお血を発症したもので、血も熱化してきます 。 頭痛や口の中の苦みが出てきやすくなります。

●湿熱血瘀(しつねつけつお)
 湿邪と熱邪がくっついて湿熱体質を作り、お血を発症した状態。
 血の流れを回復するために、湿と熱を分ける(湿熱分消しつねつぶんしょう )し て流れを戻していきます。

●痰瘀結互(たんおけつご)
 血分といわれる主に血管に、痰といわれる濁った体液の邪が入り込みベタベ タと くっついて血流を悪くしたもの。
 重い慢性病のほとんどがこれです。

●気虚血瘀(ききょけつお)
 体を動かすおおもとの気が疲れなどにより弱り、それに伴って血流が悪くな った もの。
 食欲が落ちたり、息切れが出たりします。

●陽虚血瘀(ようきょけつお)
 気がバテただけでなく身体を温める力まで弱って陽虚(ようきょ)になり、 血の 流れも弱った状態。
 手足の冷え・温かい飲食を好む・寒がりなどの体質になります。

●腎虚血瘀(じんきょけつお)
 腎気不足から腎精が傷み、血流に影響が出たもの。
 腰がダルイ・めまい・のぼせ・耳鳴り・休憩をしたがるなどの症状が出ます 。


漢方薬はこれらの傾いた体質を元のいい状態に引き上げていきます。
同時に、不妊の原因となる「虚・邪」を除き若々しい体質に戻していきます。
その結果、任脈・血海・胞宮・衝脈の流れがよくなり、妊娠の可能性が飛躍的に向上します。

また、妊娠がわかったら、流産防止のスペシャル漢方をみなさん飲まれていい結果が出ています。
妊娠中に飲む漢方もあるのです。
生まれてくる赤ちゃんにアレルギーを遺伝させないための専用の漢方もあります。
産後二人目を望まれる方の為に、肥立ちを良くする漢方もあります。

ぜひ、あなたの体質に合わせた専用の漢方薬で若々しい元気な体を取り戻してください。