(読売新聞 2019年5月22日の記事より引用)
●「生きづらい社会」に不安
妊婦の血液から胎児の染色体を調べる新型出生前検査。
染色体に異常がある13トリソミー、18トリソミー、ダウン症(21トリソミー)の3種類の病気を推定する。
病気がわかれば、人工妊娠中絶する人が多い。
「ダウン症の人を排除する検査だ」。
ある遺伝専門の小児科医は批判した。
他の2種類が、生まれても1年以内の短命である可能性が高いのに対し、ダウン症は障害を抱えながらも60歳を超える人もいる。
それだけに新型検査は、ダウン症の人や関係者に、より強い危機感を持って受け止められている。
日本産科婦人科学会が設けた認定条件を満たす医療機関だけでも、2013年4月からの5年半で6万人以上が新型検査を受け、「陽性」となって診断が確定した約890人の9割が中絶したという。
認定を無視して実施するクリニックもあり、実際はもっと多い。
「社会の支援が不十分だから、不安で中絶する人もいるのではないか」。
出生前検査に詳しい産婦人科医は話す。
新型検査の現状を受けて日本ダウン症協会は見解を発表し、中絶の是非には言及しないものの、「ダウン症の人や家族が生きづらさを感じるとしたら、『社会的障壁』による」と指摘した。
ダウン症の子と家族を支える取り組みも、徐々にだが根付きつつある。
埼玉県立小児医療センターのダウン症候群総合支援外来がその一つだ。
子どもが生後6か月未満から始めて半年間、体の発達の特徴や食事の注意点、利用できる福祉制度について子連れで学ぶ。
講義の後には家族同士の交流会もある。
担当する遺伝科部長の大橋博文さんは「参加を前向きな子育てのきっかけにしてほしい」と話す。
「卒業生」で埼玉県北部に住むBさん(43)にとって、この外来はまさにそういう存在だった。
現在3歳の長女は、2回の流産を経て授かった。
無事出産し、幸せ絶頂の翌日、事実を告げられた。
「これからどう育てたらいいのか」。
引きこもる日々。
夕暮れ時に窓から外を眺め、パン屋に明かりがともった瞬間、わけもなく涙がこぼれた。
初めて参加した日のことは忘れられない。
同じ境遇の人がこんなにいる。
会話が弾んだ。
仲間ができ、地域のサークルや療育施設の情報も教わった。
長女はダンスや音楽が大好き。
この頃は、母の顔色をうかがったり、友達を気遣ったりするようになった。
「成長を見るのが毎日楽しい。私のところにきてくれてありがとう」
ダウン症児の教育に詳しい東京学芸大教授の菅野敦さんは「親がダウン症の子どもに向き合うためには、家族を後押しする仕組みづくりが必要だ」と話す。
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