(山陽新聞 2023年5月8日の記事より引用)
政府は、国の基準よりも多く保育士を配置した保育所に、運営費の加算を強化する。
保育士が増えると、どのような効果があるのか。
国基準の倍以上の保育士を確保した保育所では休憩が取りやすくなり、働き方は改善。
余裕が生まれ、活発に意見が出るようになった。
●リフレッシュ
3月の昼下がり、東京都杉並区の保育所「Picoナーサリ和田堀公園」の休憩室では10人ほどの保育士が談笑したり、横になったりしていた。
保育士の1人は「以前勤めていた園では休憩なしが当たり前だった。子どもと離れて休めるのでリフレッシュでき、午後も頑張ろうと思える」とほほ笑んだ。
同園には0~5歳児の計約120人が通う。
国の配置基準に合わせると保育士13人が必要なところ、同園では倍以上の約30人が働く。
交代で休憩を取れるようになる。
●ICT導入
この保育所を経営する社会福祉法人「風の森」は、2014年度に最初の保育所を開園。
当初は国の基準にほぼ沿った形で保育士を雇った。
野上美希統括は、休憩が取りにくく、残業をしないと仕事が終わらない実態を目の当たりにする。
「子どもの命を預かっているのに、毎日業務が逼迫している。これで良いのか」と疑問に感じた。
その後、保育士を増やそうと財源確保に奔走。
自治体の補助金制度を調べ、漏れのないように申請した。
情報通信技術(ICT)の導入で事務コストを削減するなど工夫を重ね、現在は経営する全6園で基準の倍の保育士を確保している。
こうした取り組みが評判を呼び、就職希望者が増えた。
保育士からは子どもが喜ぶ遊びの提案など、アイデアが活発に出るようになったという。
●一歩前進
ただ、全国で同様の取り組みをするには課題が残る。
自身も保育所を運営する保育研究所の村山祐一所長によると、東京都内は補助金が充実しているなど自治体の支援に地域差があるという。
村山さんは「保育士を増やした保育所に加算する国の対応は一歩前進だが、できない園もある。
手厚い配置を全国へ広げるには一律の措置が必要。
さらに踏み込んだ配置基準の改善と(運営費に当たる)公定価格の充実をセットでやるべきだ」と指摘する。
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