少子化対策実現                2023年 4月 2日


(山陽新聞 2023年4月2日の記事より引用)

●こども家庭庁発足 財源本格議論へ

子ども関連政策を総合的に担う「こども家庭庁」が1日発足した。
政府が試案をまとめた「次元の異なる少子化対策」の実現に向け、かじ取り役を担う。
今後は財源確保の本格議論へと移るが、兆円単位が必要とされる中で、負担増を視野に入れた”難路”が待ち受ける。

政府は3月31日に公表した対策の試案で、児童手当の所得制限撤廃や多子世帯への増額、育児休業給付の引き上げといった取り組みを列挙。
今後3年間を集中取り組み期間と位置付けた。
岸田文雄首相をトップとする新たな会議で政策の優先順位や財源確保策を議論し、6月の経済財政運営の指針「骨太方針」までに、子ども予算倍増の大枠を示すとしている。

こども家庭庁は各省庁にまたがる政策を体系的に整理、具体化する。
同庁を担当する小倉将信こども政策担当相は31日の記者会見で「試案を取りまとめた責任者として、(新たな会議体での)議論に参加したい」と述べた。



現時点では、政策の実施時期や財源規模は明らかになっていない。
児童手当の拡充だけでも兆円単位の予算が必須とされる。
既存の子ども予算のやりくりだけでは難しく、新たに安定的な財源が必要となる。

首相は消費税増税を否定。
与党内からは国債発行を求める声も上がるが、鈴木俊一財務相は「償還財源がない中での国債発行は負担の先送りで、慎重でなければならない」とくぎを刺す。
政府内では社会保険料に一定額を上乗せし、1兆円程度を捻出する案が浮上。
幅広い年齢層が加入する医療保険を軸に調整している。
ただ、少子高齢化の進行によって保険料の負担は増加傾向にあり、独身者や高齢者など子育て当事者以外からの反発も予想される。
本来の目的とは異なる少子化対策に充てるのは「流用になる」(政府関係者)との声も聞かれる。




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