出産費平均45.5万円迫る          2022年10月16日


(山陽新聞 2022年10月14日の記事より引用)

●厚労省21年度集計「一時金」増額へ

厚生労働省は13日、公的病院での出産時にかかる費用が2021年度に全国平均45万4994円で、前年度費2706円増えたと発表した。
出産した人が公的医療保険から受け取る原則42万円の「出産育児一時金」を上回った。
政府は少子化対策を強化するため、23年度から一時金を大幅に増やす方針。
具体的な額を22年末に決める。

出産費用は都道府県ごとに金額が大きく異なり、最高の東京が56万5092円、最低の鳥取は35万7443円で、差は20万円を超えた。
岡山は44万8632円、広島は46万2797円、香川43万8083円だった。

正常分娩は自由診療のため、医療機関が料金を設定する。
12年度は約40万6千円で、年々上昇。
今後も値上げが続くと、23年度に一時金を増額しても効果が薄れる可能性がある。

一時金42万円には、出産事故に備える「産科医療補償制度」の掛け金分1万2千円が含まれ、実質的は支給は40万8千円。

厚労省が集計結果を示した13日の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)の部会では、一時金の大幅増額に賛成意見が相次いだほか、各医療機関による適正な料金設定や、妊婦が選びやすくするための費用内訳の明確化が必要だとの意見も出た。

一時金は現在、主に各種の公的医療保険の保険料が原資になっているが、75歳以上の後期高齢者医療制度からは出ていない。
厚労省は大幅増額の財源確保のため75歳以上も保険料で負担する見直し案を部会に示したが、委員で賛否が分かれた。

厚労省は調整を続ける。




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