出産一時金 50万円に増             2022年12月10日


(山陽新聞 2022年12月8日の記事より引用)

●来年度、現行42万円から

政府は、出産した人に原則42万円が公的医療保険から支払われる「出産育児一時金」について、2023年度から50万円程度に増やす方向で調整に入った。
少子化は新型コロナウイルス禍の影響で加速しているとされる。
対策を充実させるため、子育て世帯の経済負担を軽くする狙い。
近く岸田文雄首相が最終判断する見通し。
政府関係者が7日明らかにした。

加藤勝信厚生労働相が6日、官邸を訪れて首相に複数の増額案を示しており、政府内で協議が進む。
実現した場合、引き上げは09年10月以来となり、上げ幅としては過去最大となる。
首相はこれまでの記者会見で「私の判断で大幅に増額する」と表明していた。


一時金を増やしても、医療機関が便乗して値上げすると、子育て世帯の支援を強化する政策効果が薄れてしまう。
増額とともに、便乗値上げ対策の検討も進める。

正常分娩による出産費用は医療機関ごとに異なるが、年々上昇傾向にある。
民間クリニックなども含めた全国平均は21年度に約47万3千円。
同一時金の増額方針は、全国の平均出産費用が上がっているのに対応する目的もある。
一方で医療機関がさらに値上げした場合は、子育て支援の効果が薄れる可能性がある。

厚労省によると、公的病院の出産費用の都道府県別データ(21年度)では、最高の東京都と最低の鳥取県で約20万円の差がある。
全国一律に一時金を増やしたとしても、持ち出しが解消されない人が出そうだ。

政府は一時金増額を賄うため、24年度からは後期高齢者医療制度からも財源の7%程度を拠出する方向で検討している。






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