出産育児一時金増額へ             2022年 6月 3日


(山陽新聞 2022年5月27日の記事より引用)

●費用上昇 親の負担軽減 政府検討

政府は26日、出産時に原則42万円が支給される出産育児一時金を増額する方向で検討に入った。
関係者が明らかにした。
出産費用は年々上昇し、全国平均が一時金の額を上回っている。
親の負担を軽減し、少子化に歯止めをかけたい考えだ。
岸田文雄首相は同日の衆院予算委員会で「(一時金の)現状に対して充実を一歩一歩進めていきたい」と述べた。

政府が6月にまとめる経済財政運営の指針「骨太方針」に反映させる。
厚生労働省が出産費用の詳しい内訳や費用増の要因などの実態を調査中で、早けらば同月にも公表する。
結果を踏まえ、引き上げ額を議論する。

出産育児一時金は、出産事故の際に支払われる補償金制度の掛け金分1万2千円を除くと、実質的な額は40万8千円。
一方、厚労省調査では、2019年度の全国平均費用が公的病院で44万3776円(掛け金分や個室料など除く)と一時金を上回っていた、

出産は病気の治療ではないため、帝王切開などを除いて公的医療保険が適用されず、全額自己負担となる。
代わりに、公的医療保険の財源から一時金が出る。

出産費用は医療機関が設定する。
厚労省調査では、公的病院の平均出産費用は12年度に比べ、19年度に4万円近く増えた。
費用増の背景には、出生数の減少で収入が減る医療機関の料金引き上げや、高齢出産が増え、手厚い対応が必要になり入院が長期化したことなどが指摘されている。

出産費用には豪華な食事などの料金が含まれる場合がある。
また、一時金を増やしても医療機関がさらに値上げする懸念もある。
岸田首相は参院予算委で「サービスやコストを選択できる仕組みも考えていかなければいけない」と述べた。




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