不妊予防 学校健診強化へ           2021年 6月24日


(読売新聞2021年7月4日の記事より引用)

●不妊治療 男性用の薬も

政府は、不妊治療の公的医療保険の適用範囲について、日本生殖医学会がガイドライン(指針)で推奨した治療や検査を対象とする方針を固めた。体外受精や男性不妊手術などで、2022年度からの導入を目指す。中央社会保険医療協議会(中医協)で議論する。

学会は先月、国内で実施されている治療や検査、投薬など113項目について、推奨度を3段階で評価した。そのうち、レベルA「強く推奨する」とした項目と、レベルB「推奨する」とした項目を、原則として保険適用する考えだ。

レベルAには、体外受精のほか精巣から精子を採取する手術、「バイアグラ」など勃起障害の治療薬を使った男性不妊の治療が示されている。

レベルBには、2回続けて流産した女性に対して、流産回避の目的で行う着床前検査などがある。

指針で最も低いレベルCは、エビデンス(根拠)が弱いとされているため、保険適用は見送る方針だ。ただし、一部は例外的に保険診療と併用できる先進医療とし、有効性と安全性を検証する。受精卵の成長を専用の装置で連続撮影し、妊娠の可能性が高い受精卵を選ぶ治療などが挙げられている。



それぞれの治療や検査の公定価格である診療報酬は、来年初めに中医協で決定する。

現在、一部の不妊治療には保険が適用されているが、高度な治療は自費診療だ。体外受精の場合、国の調査では1回あたりの費用が平均約50万円だった。治療が複数回に及ぶケースも多く、不妊に悩む夫婦の大きな負担となっている。

菅首相は昨年、少子化対策を進めるため、不妊治療の保険適用を拡大する方針を打ち出していた。

国立社会保障・人口問題研究所の15年の調査では、夫婦の約2割が不妊治療や検査を受けていた。





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