(山陽新聞 2022年6月20日の記事より引用)
福山市民病院(同市蔵王町)は今月から、おなかの赤ちゃんに大きな病気がないか調べる「胎児超音波スクリーニングシステム」を開始した。
命に関わる病気が判明した場合、専門性の高い治療が受けられる岡山大病院(岡山市)につなぐ仕組みで、出生後の救命率向上、後遺症予防を図る。
●福山市民病院 超音波検査充実
システムでは通常の妊婦健診で行う超音波検査より時間をかけて詳しく調べる。
検査時期は妊娠中、後期の2回。
心不全やチアノーゼ(酸素欠乏)を引き起こす胎児心臓病、横隔膜ヘルニアといった命の危険がある病気をはじめ、さまざまな異常に対して検出率の向上を図った。
出生後、直ちに手術が必要なケースでは、妊婦があらかじめ岡山大病院に入院。
医療スタッフが準備を整え、安全にお産を迎えられるようにする。
「赤ちゃんが生まれてから病気が分かったのでは、救急搬送に時間がかかり、命だけでなく脳などに後遺症を残す恐れもある」と市民病院小児科の河津由紀子科長。
岡山大病院のような高度な医療機関が近隣にない福山市では、特に早期発見の重要性が高い。
2回のスクリーニング検査が、多忙を極める産婦人科医のさらなる負担増にならないシステムづくりも進める。
現在、検査の1回目を産婦人科医、2回目を超音波検査士が担当しているが、将来的には、2回とも胎児の検査に専門的な知識を持ち、実績を重ねた超音波検査士に委ねる方向で、医師の働き方改革も進める。
市民病院の出産数は年間150件ほど。
スクリーニング検査は里帰り出産を含め、市民病院をかかりつけにする妊婦が対象。
産婦人科の髙原悦子科長は「赤ちゃんとお母さんに優しい医療を届けたいと、組織の壁を越え各科の歯車がかみ合ってできたシステム。一人でも多く命を救いたい」と話す。
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(人工授精・体外受精・顕微授精)
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