着床前診断で流産減少             2021年 9月25日


(山陽新聞2021年9月24日の記事より引用)

●大規模臨床研究 出産率は変わらず

日本産科婦人科学会(日産婦)は23日、体外受精した受精卵の染色体を調べて子宮に移植する「着床前診断」の大規模臨床研究で、流産を繰り返していた女性の流産が減ったとする中間結果を発表した。
ただ検査で子宮に入れることが可能と判断された受精卵は、全体の4割ほどしか得られなかった。
日産婦は最終的に出産まで至る割合は変わらないとみており「出産を希望する人にとって有益かどうかは検証が必要」としている。

着床前診断は、不妊治療の新たな選択肢として期待される一方、染色体に異常がない受精卵を選んで子宮に戻すため、命の選別につながりかねないとの指摘がある。

研究は体外受精で妊娠しなかったり、2回以上流産したりした30~50代の女性が対象。
109施設で実施した約4300人を解析した。
これまでより小さな規模の研究で同様の結果が得られてきたが、数千人規模は国内で初めて。

国内で体外受精を実施した場合の流産率は25%程度だが、染色体の数に異常のない受精卵を戻すと10%に低下した。
だが検査した受精卵のうち移植できると判断されたのは37%で、女性の年齢が上がるほど移植可能な受精卵の割合は減少した。

一方、日産婦は、着床前診断で異常のない受精卵を戻した場合に出産に至る割合は17%で、通常の体外受精の出産率の20%とあまり変わらないと推測している。
高齢になると移植可能な受精卵の割合が低くなる上に、異常があっても移植後に修復されて生まれてくる場合があるためと考えられる。

日産婦が同日オンラインで行ったシンポジウムでは「流産による精神的・身体的負担を減らせる」という意見があった一方、「染色体の検査で、障害者の排除につながる恐れがある」などと懸念の声が上がった。




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