我が子を見つめて「出生前検査 理解が大切」
(読売新聞 2016年4月27日の記事より引用)
2013年4月、新型出生前検査(NIPT)の臨床研究が始まった。
この検査は、妊婦から採血し、胎児にダウン症などの染色体の病気があるかどうかを調べる。
主に35歳以上が対象で、晩産化などを背景に検査の希望者は増えているが、命の選別につながるとの指摘もあるなど課題は多い。
東京都の主婦A子さん(46)は昨年5月、妊娠12週の時に、この検査を受けた。
43歳で不妊治療を始め、昨春、3度目の妊娠をした。
出産予定日の病院で検査の説明資料を渡された。
「出産前に胎児の病気がわかった方が事前に勉強ができる」と考え、検査を受けることにした。
検査前には、専門の医師らが検査の意義や染色体の病気の説明などを行う「遺伝カウンセリング」を受ける。
A子さんは夫婦で臨んだが、検査の流れの説明のみで5分程度で終了し、そのまま採血をした。
A子さんは「どのような結果でも受け止めようと思っていましたが、結果が出るまでは漠然とした不安がありました」と振り返る。
結果は「陰性」で、11月に男児を出産した。
新型検査の認定施設は現在、約70施設で、約3万人が受けた。
今後も希望者は増えると見込まれる。
東京女子医科大学遺伝子医療センター所長で小児科教授の斎藤加代さんは「十分な遺伝カウンセリングを行わずに、検査を実施する施設が少なくありません。子どもの命にかかわる問題であるにもかかわらず、検査でわかることや染色体の病気について理解しないまま、受けている夫婦が多いのが現状です」と問題点を指摘する。
新型検査でわかるのは、ダウン症(21トリソミー)18トリソミー、13トリソミーの三つの染色体の病気だけだ。
陽性だった場合、羊水検査などを受けなれば診断は確定できない。
たとえ陰性だった場合でも、一般的に3~5%は新型検査ではわからない染色体の病気などを抱えた子どもが生まれるとされている。
新型検査の共同研究組織によると、診断が確定した妊婦の約8割が人工妊娠中絶をした。
その理由の一つに、染色体の病気をもつ子どもが、どのように成長するのが理解されていないことがあるとみられる。
斎藤さんは「遺伝カウンセリングでは、染色体の病気の特性だけでなく、命の重さや、病気をもつ人々のいきいきとした生活ぶりを理解することが大切です。一方、中絶などで子どもと死別をした人の精神的な負担は大きく、継続的な心のケアを担う場でもあるべきです」と話している。
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