妊婦の喫煙・受動喫煙 子のアトピー発症リスク増
(読売新聞2017年6月18日の記事より引用)
肺疾患や気管支ぜんそくなど、体に様々な悪影響を及ばすことが指摘されている喫煙。
最近の研究では、妊婦の喫煙や受動喫煙によって、生まれてきた赤ちゃん、アトピー性皮膚炎や乳児湿疹になるリスクが上がる可能性があることがわかった。
アトピー性皮膚炎は、強いかゆみを伴う皮膚炎で、免疫の過剰反応であるアレルギーを持つ場合が多い。
子どもの場合、比較的よくみられる乳児湿疹が2か月以上続いた場合などに診断される。
発症には、親から受け継いだ体質が関わっているとの見方もある。
慶応大学病院皮膚科の医師・海老原全(たもつ)さんによると、アトピー性皮膚炎は、かゆみ、睡眠不足のほか、患部からしみ出す液の対処や薬の塗布、見た目の変化などによって、生活の質が大きく低下するという。
子どもや妊婦に対する喫煙・受動喫煙の影響としては、早産や低体重などの妊娠中や出産時のトラブル、出生後の乳幼児突然死症候群や気管支ぜんそくなどの発症リスクが高まることがこれまでの研究で指摘されている。
これらに加えて、子どものアトピー性皮膚炎も、母親のおなかの中にいる時期のたばこの煙が関係していることが明らかになってきた。
愛媛大学病院小児科の医師・篠原示和(みわ)さんらは、高知県で行われる乳児健診に参加した親子のうち、赤ちゃんが7か月以上の約1500組を対象に、2005年にアンケートを実施し、分析を続けている。
アンケートは、「妊娠中に喫煙または受動喫煙したか」「赤ちゃんがアトピー性皮膚炎、または乳児湿疹と診断されたか」など、喫煙と赤ちゃんの皮膚疾患について尋ねた。
結果は、喫煙や受動喫煙が「ある」場合、皮膚疾患になる割合が高い傾向があった。
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