(読売新聞 2019年4月29日の記事より引用)
●妻がうつ 近くで支える
妻(36)は産後うつに苦しみ、自殺を口にした。
中国地方の会社員の夫(38)が、妻の「命綱」になろうと努力した体験を語る。
産後ケアで、夫は果たすべき役割は大きい。
2017年秋に第2子の次女が誕生し、里帰り先から戻ってきた妻は、笑わなくなっていた。
ミルクの量をノートに細かく記録して授乳しているのに、体重が思うように増えないことを気にかけていた。
夫は手伝おうとしたが、授乳時間が10分ずれただけで、どなられた。
1歳半だった長女の夜泣きもあり、夫婦とも不眠になった。
昨年1月頃、妻から「死にたい」と訴えられた。
妻は、ベテランから身を乗り出そうとしたり、カミソリで腕を傷つけたりする。
「迷惑をかけてごめんなさい。私、いなくなればいいよね」と言う。
どう接すればよいか分からず、「そんなことはないよ」と返すしかなかった。
「産後うつ」という言葉が頭に浮かび、図書館で調べた。
本には「1年ほどで軽快することが多い」と記されており、一時的なものだと思った。
急に泣いたり、怒ったりするのも、「産後のせいだ」と自分に言い聞かせて過ごした。
5月、保健師の勧めで心療内科クリニックを受診した妻が、うつ病と診断された。
夫は決断した。
職場には、「妻が産後うつになった。仕事を抜けることが増えるかもしれない」と打ち明け、双方の両親にも状況を正直に伝えた。
仕事中も妻からの連絡が度々入った。
混乱していて何を言いたいのか分からないこともある。
どうすれば妻を支えられるか。
自宅で、落ち込む妻にこんな言葉を伝えた。
「SOSの一言だけでいい。助けに来る」
妻は静かにうなずいた。
多いときは数日に1回、「SOS」のメールが届いた。
すぐに仕事を切り上げ、難しければ、近くに住む自分の両親に駆けつけてもらった。
緊急時は、2週間ごとに来る訪問看護師にもお願いした。
誰かが到着するまで、電話は切らない。
国立成育医療研究センター(東京都)が、15~16年の間、出産後1年未満に自殺した女性の数を調べた研究がある。
全国で92人。
この時期の女性の死因としては、がんや心臓病を抑えて最多だった。
産後に女性が抱える心の病は、今や看過できない問題になっている。
「妻と子どもの命を守るためなら、なりふりは構っていられなかった。妻を一番近くで支えられるのは、自分だから」と、夫は言う。
妻の治療が続くとはいえ、穏やかな日も増えた。
はしゃぐ子どもたちを見て、妻が笑顔になることがうれしい。
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